不定期連載【Omomuki】スタート
突然ですが2021年
不定期連載企画【Omomuki】をスタートします!
【Omomuki】とは
歴史ある八王子の街だからこそ残る、趣あるお店の数々。
市内でも居住地域の違う方などは、意外とご存知ないかもしれません。
【Omomuki】ではそうしたお店をご紹介します。
皆さんが八王子の街に改めて目を向け、好きになるきっかけとなれたら嬉しいです。
記念すべき第1回は、きものの西室さんをご紹介します。
きものの西室
店舗紹介
きものの西室は、明治38年(1905年)に
1代目が子安神社の泉の隣に黒染めの専門工房を開いたことから始まります。
このときの工房は空襲で焼けてしまいましたが、戦後、2代目が横山町に現在の店舗を開きました。
現在の店舗は築60年以上。
時を経て柔らかに変化した建具の風合いに、老舗の歴史を感じます。
伺ったのが年の瀬だったため、この日は外観も店内もお正月の飾りが施されており、
それがまた一層店構えの魅力を引き立てているようです。
この日掛けられていた暖簾は年中掛けられるという麻のもの。
ほかにも季節によって変えられるのだそう。
街中にありながら季節の移り変わりを感じられるお店、素敵ですね!
老舗呉服店の店内
お店に入ると消毒用アルコールジェルのほか、
除菌効果があり空気をきれいに保ってくれるというオゾン発生器も設置されています。
感染症対策も万全です。
ぬくもりのある畳敷きの店内。
店内のお正月の装飾も見事!
人形があまりに立派なためか「人形屋さん?」と言われてしまったこともあるそう。
この招き猫は農家の方が彫ったといわれており
それゆえ手がしゃもじの形になっているのだそう。
調度品も永く使われてきたことがわかります。
ちなみにライトは懇意にしている知人の方の作品。
「お年を召されてもなお、硬いサクラの木を細く細工するような素晴らしい仕事をなさる方」
なのだといい、大切にされていることが伝わってきました。
やがて周りの調度品と同じ色合いに変わるまで大切に使われ、
きものの西室の歴史の一部になっていくのでしょうね。
長年愛される老舗の歴史の成り立ちを見たようなワンシーンでした。
店内から駅前銀座通りを臨む様子。
建具の質感が表とはまた違い、
つややかに、長年たくさんのお客さんを迎えてきた歴史を湛えています。
着物の生地を使った座布団、
畳に上がる部分の竹細工の風合いも真似できるものではありません。
流行を追わない、質と個性の品揃え
きものの西室で販売する着物は、量よりも質と個性を大切にしています。
とはいえ、3代目の西室博史さんの奥様・夫美子さんのご実家が問屋さんということもあり
市場よりも安価に良いものが揃うのだといいます。
昔ながらの生地見本を見せていただきました。
美しい色の組み合わせと繊細な柄に見入ってしまいます…!
一方、こちらの華やか・ポップな生地はなんと長襦袢!
右の鯛の模様はお正月の時期にぴったりです。
着物のイメージが一変しますね。
長襦袢は人から見えないと思いがちですが、意外と袖口から覗くものなのだとか。
こんな着こなしの楽しみ方も、きものの西室で指南してもらうことができますよ。
仕立て屋さんによる一点もののマスク
今や必需品のマスクも、きものの西室の仕立て屋さんの手仕事による一点ものが販売されています。
こんなに素敵ならマスク生活もちょっと楽しくなりますよね♪
リバーシブルで片面は無地になっているので、場面によってかけ変えても。
是非お気に入りを探してみてください!
着物の販売だけでなく、文化の継承を
3代目の西室博史さん・夫美子さんご夫妻。
博史さんは歴史や茶道にも造詣が深く、茶道のサークルを10年以上主宰されています。
にじり口のある本格的なお茶室で、初心者も上級者も隔てなくお茶を楽しめるそう。
お茶サークル「学而軒(がくじけん)」
第一水曜・日曜、第三水曜・日曜に開催
4代目の西室彰人さん・真希さんご夫妻。
お二人それぞれ京都での修行を経て、3代目とともにきものの西室を支えておられます。
きものの西室は着物を販売するだけでなく、
その後のお手入れや着こなしの相談などでも長く頼りになる存在です。
受け継いだ着物の寸法直しなど、西室で購入した着物に限らずまさに「なんでも相談」を受け付けています。
例えば男性はお端折りをしないので、女性の着物を男性向けに直すこともできるのだとか!
そうして日本の文化が引き継がれていくこと、
その引き継ぐ役割を担っていることを、きものの西室ではとても大切にしています。
是非一度、きものの西室の暖簾をくぐってみてくださいね。
2018年、業者トラブルの被害に遭い途方に暮れた新成人の方々のために、真希さんが中心となり多数のボランティアを集めて「やり直し成人式」を無償で実現したことは、多くの方の記憶に残っていることと思います。
きものの西室の心意気が、八王子の街でこれからも長く息づいていきますように!
きものの西室
※情報は取材当時のものです。来店の際は公式情報をご確認ください。
- 住所
- 東京都八王子市横山町6-12
- アクセス
- 八王子駅北口 徒歩5分
- 営業時間
- 10:00~19:00
- 定休日
- 水曜日
- 電話
- 042-642-2466
- Webサイト
- http://www.2466-hachi.com/
- @2466hachi
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