八王子の伝統工芸が結集!バンブーランバイク・アートプロジェクト展

八王子の伝統工芸が結集!バンブーランバイク・アートプロジェクト展

オリンピックの機運醸成イベント

八王子駅北口から徒歩7分ほどにある、まちなか休憩所八王子宿。
その2階の『まち・なかギャラリーホール』で、東京造形大学×八王子市の『バンブーランバイク・アートプロジェクト展』が開催中です。
所在地 : 東京都八王子市中町12-11-1

先日から開催された東京オリンピックですが、1964年の東京オリンピックで自転車競技が八王子で開催された歴史もあり、東京2020大会においても自転車競技が予定されているため、競技大会の機運醸成イベントとして企画されました。

竹を使ったバンブーランバイクがずらり

東京造形大学では、2017年から一般社団法人Spedagi Japan (スペダギジャパン)と連携し、2017年よりスペダギ・バンブーランバイク・プロジェクトという授業を実施しています。
同大学がある八王子を含む多摩地域にある素材を使った子ども用ランバイクの開発から始まり、八王子の地域資源を生かしたサステナブルな遊びや体験を子どもたちに提供するワークショップの企画や運営を学生と一緒におこなってきました。

その授業の取り組みは、第13回キッズデザイン賞(経済産業省)や第6回グッドライフアワード『環境アート&デザイン賞』(環境省)を受賞しています。
そして今回の展示で使用されているランバイクは、この一連のスペダギの活動の中で開発されたものです。

スペダギとは?

Spedagi(スペダギ)はインドネシア語の自転車『Speda』と朝『gi』からなる造語で、「朝 自転車に乗る」という意味を持ちます。

2012年よりインドネシア中央ジャワ州テマングンを拠点に活動がスタート。
インドネシアで広がる都市と地方の格差を打開しようと、再生可能資源であるバンブー(熱帯性の竹類)を活用してバンブーバイクを作り、地域の特産品を売る市場を開き、宿泊所を建てるなど、村を元気にするための新しい事業を興そうと試みています。

彼らの活動に賛同し、日本でも地方発信で新しいサステナブルな社会の形を作ろうと2016年に一般社団法人Spedagi Japanを設立し、活動しています。

八王子のものづくりを支える企業が集結

このバンブーランバイクは、スギやヒノキをはじめとする”多摩産材”や”竹”を使い、また、八王子でものづくりをおこなう様々な伝統工芸やNPO法人、企業などと協業してデザインし作られています。

こちらは着物生地やネクタイなどの製品を作る『多摩織』でデザインされており、ハンドルのところにはバックとお守り、サドルカバーが非常に鮮やかで印象的です。

上のフレーム部分が多摩産材。曲線を描く下の部分は竹を使っています。
このバンブーランバイクでは、多摩産材の”栃”を使用。
また、竹の部分は薄い竹を6枚ほど組み合わせて接着しており、瞬間的100kgの力がかかっても問題ないという強度も持っているそうです。

こちらは江戸時代から続く、八王子の『野口染物店』が手がけた藍染の生地を身にまとったランバイク。
涼しげな藍色は、目に鮮やかで粋ですね。

展示されているバンブーランバイクにはそれぞれ説明書きがあり、デザインにはすべて八王子の団体・企業が協力して作られたというから驚きです。

2017年よりスペダギ・バンブーランバイク・プロジェクトという授業を実施し、2019年から40台のバンブーランバイクを制作してきた東京造形大学の岩瀬准教授は、八王子の豊かさや魅力を再認識したそうです。
「ランバイクをテーマに、八王子の豊かな自然、素晴らしい伝統文化とそれを支える現役で活躍する職人の方々、企業のユニークなものづくりをしている方々と繋がることができました。 今後は、八王子の持つ可能性、人や技術、地元にある資源をうまく活用して、メイドイン八王子のランバイクを作りたいと考えています」
とおっしゃっていました。

展示は9/5まで開催

今回の展示は2021/7/3~9/5の期間で、3回に会期を分けて展示物も総入れ替えするので、見どころも満載です。
まちなか休憩所八王子宿で休憩もできますので、ゆっくり鑑賞してみてはいかがでしょう。

イベント開催期間

■ 7/3~7/16 (終了)
■ 7/25~8/7 10:00~19:00
■ 8/23~9/5 10:00~19:00
7/28及び8/25は休館日

バンブーランバイク・アートプロジェクト展について
https://www.city.hachioji.tokyo.jp/kankobunka/007/001/p028541.html

WRITER

ジャーニー編集長

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