長房の商店街にある『梅屋蒲鉾店』
今年「スーパーアルプス」や「カインズホーム」ができて人で賑わう長房町。そんな再開発エリアのすぐそばに「長房新栄商店街」という商店街があるのをご存知だろうか?
長房団地ができた1960年代からあるそうだが、団地の高齢化とともに閉める店が多くなってきている。
そんなシャッター街の一角で50年以上に渡り店を守り続けている『梅屋蒲鉾店』。
店正面のショーケースには15種類ほどのおでん種が綺麗に並べられている。
おでん種をつくるのは2代目の梅津孝晴さん。おもにイトヨリダイやスケトウダラ、マグロなどを原料とし、保存料や小麦粉、卵を使わずにつくるそうだ。菜箸とヘラを両手に持ってリズムよく成形していく様は見ていて小気味いい。
揚げたてをひとついただいたが、パツンとした食感が印象的だ。
店先にできあがったおでんも売られており、全品80円で購入することができる。店先で食べたい方や自分でつくるのが面倒な方はこちらを利用するといいだろう。
ちくわ、餅巾着、大根、昆布、こんにゃく、野菜揚げ、卵、つみれの8品を選んで640円。
ちょうど寒い季節なので、おでん種をたくさん購入して家で食べることにした。つくった人の顔を思い浮かべながら食べる食事は、味云々以上に心が満たされる気がする。
7つのおでん種を紹介
■ さつま揚げ(小) 70円
すり身を揚げたもの全般を指したものも”さつま揚げ”というが、俵型ですり身以外に何も入っていないスタンダードなこちらも”さつま揚げ”と呼ばれる。「小」(70円)と、少し大きな「大」(90円)の2種類が売られている。純粋にすり身自体の食感を味わえるので、初めての方はぜひ購入してほしい。
■ 野菜揚げ 70円
いちばん人気があるという野菜揚げ。3種類ほどの野菜が入っており、噛んだ時に野菜の食感や味わいが感じられるのがさつま揚げとは対照的だ。
■ ウィンナー巻き 80円
子どもに人気があるウィンナー巻き。赤い色が昔懐かしい印象。
■ チーズ巻き 80円
とろりとチーズが溶け出すチーズ巻き。おでんの出汁とチーズの組み合わせは意外だが、難なく受け入れる懐が深いのがおでんのいいところ。
■ 揚げぼーる 30円
一口サイズで食べやすい揚げぼーる。”ぼーる”とひらがなが使われているのが見た目同様かわいらしい。
■ ぎょうざ巻き 80円
変わり種としてぎょうざ巻きも買ってみた。すでに皮で包まれている餃子をさらにすり身で包むという大胆不敵な一品。
■ シュウマイ巻き 80円
ぎょうざがあればシュウマイも忘れてはいけない。こちらもシュウマイがまるごと入っておりぎょうざ巻きともども不思議な小宇宙を形成している。
店を守る気さくなご主人と80歳になるお母さま。店に来て帰るまでの短い時間でも気持ちのいい会話ができそうな優しい雰囲気だ。もしみなさんが梅屋蒲鉾店のおでん種を食べる機会があったら、ふたりの笑顔が思い浮かぶだろう。そんな素敵な店をもっと多くの人に知ってもらいたい。
オンラインの購入もできるので、興味をもった方はぜひ検討してほしい。
https://umeyakamabokoten.raku-uru.jp/
梅屋蒲鉾店
※情報は取材当時のものです。来店の際は公式情報をご確認ください。
- 住所
- 東京都八王子市長房町551-151
- アクセス
- 西八王子駅から車で5分
- 営業時間
- 9:30〜18:30
- 定休日
- 日曜日
- 電話
- 042-661-7317
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