高尾山だけじゃない！市民が選んだ八王子88名山とは？【第10回「歩く会」参加者募集中】

八王子は“高尾山だけじゃない”。市内には、高尾山をはじめとする多くの山々が広がり、都心からのアクセスの良さと豊かな自然環境をあわせ持つエリアです。その魅力をより多くの人に知ってもらおうと「TOKYO八王子名山選定プロジェクト」（八王子市・教育委員会・観光コンベンション協会が後援）が結成され、2023〜2024年にかけて公募を実施。その結果、「八王子名山」36箇所、「八王子隠れ名山」52箇所の合計88箇所が選ばれました。

八王子名山とは？

「八王子名山」は、次のような基準を満たす山から選ばれています。

• ・眺望の良さ
• ・山容の個性・特徴の明確さ、山体の大きさ
• ・八王子の歴史との結びつき

さらに、動植物の生息状況や原生林の有無など、“自然度の高さ”も重視されました。八王子で最も高い山である醍醐丸（標高約867m）も選出されています。

八王子名山 三十六座

※秩父山地の核心部から東へ。八王子の最初の山である醍醐丸を1番とし、山地構造に沿った掲載順です。

醍醐丸（867m）／一歩地山（780m）／栗ノ木沢ノ頭（724m）／豆佐嵐山（648m）／舟子尾根ノ頭（610m）／古愛宕山（509m）／今熊山（505m）／滝山（約160m）／遠野谷戸山（404m）／天合峰（300m）／一ツ石山（536m）／高留沢ノ頭（589m）／恩方山（536m）／盆前山（498m）／千手山（356m）／高岩山（800m）／本宮山（732m）／要倉山（562m）／陣馬山（855m）／堂所山（731m）／黒ドッケ（623m）／富士見台（550m）／八王子城山（461m）／熊笹山（530m）／景信山（727m）／小仏城山（670m）／日影乗鞍（621m）／高尾山（599m）／大洞山（536m）／中澤山（494m）／泰光寺山（475m）／榎窪山（420m）／草戸山（364m）／初沢山（294m）／大塚山（213m）

TOKYO八王子名山

親しみやすい「隠れ名山」

「八王子名山」に惜しくも選ばれなかったものの、選定員が“推したい場所”として登録されたのが「八王子隠れ名山」です。峠道や公園のように気軽に歩けるスポットも多く、足腰に自信がない人でも挑戦しやすいのが魅力です。

たとえば、高尾山の「稲荷山コース」中間地点にある稲荷山。かつては高尾山薬王院から大山へ向かう信仰の道が通っていたとされ、その歴史を知ることもこのプロジェクトの目的の一つです。

浅川金毘羅山／一丁平／稲荷山／犬目山／猪鼻山／入沢山／宇津貫公園／宇津貫毘沙門天／大石山／大塚公園／大平公園／沖ノ谷戸公園／小山内裏公園／片倉山／カタクリ山／上川の里／上柚木公園・愛宕山／川口川の頭／金峰山／久保山／小庄山／御殿峠／御殿峠の尾根／小仏峠／散田平塚山／陣峰／内裏谷戸公園／大六天／出羽山公園／栃淵峠／廿里山／長池公園／長沼公園／七国峠／日向峰通り／雹留山／ひよどり山／平山城址公園／富士森公園／古瀧山／松子峰／丸山／万葉公園／御堂山／峰見通り／明王峠／明王谷戸ノ峰／明神山／野猿峠／山田峰越え／龍ヶ嶺／蓮生寺公園 ほか

TOKYO八王子隠れ名山

低山が人気に。八王子の可能性

近年、登山者の間では日帰りで気軽に登れ、景色も楽しめる“低山”が人気です。高尾山の人気はもちろんですが、実は八王子には他にも魅力的な低山が数多くあります。

あるハイカーは「富士山は、景信山からの方が綺麗に見える。登山者が少ないからゆったり鑑賞できる」と話します。八王子市の西側は約3分の1が山岳地帯。豊富な観光資源に加え、都心からのアクセスの良さもあり、“八王子の低山”はまだまだ大きな可能性を秘めていると言えそうです。

オーバーツーリズム対策としても

ミシュランガイドへの掲載（2007年）以降、国内外から多くの登山客が訪れる高尾山。一方で、観光客の集中によるオーバーツーリズムが課題とも言われています。

「八王子には、高尾山以外にも登りたくなる山がたくさんある」という事実を知ってもらうことで、

• ・高尾山への来訪集中の分散
• ・複数の山を縦走してもらうことで、宿泊を伴う観光の促進

といった効果も期待されています。

第10回「八王子の名山を歩く会」参加者募集中

同プロジェクトでは、選定された名山を実際に歩いて楽しんでもらうため、2023年12月から月1回程度のペースで登山イベント「八王子の名山を歩く会」を開催しています。

次回は記念すべき第10回。投票数1位だった景信山をはじめ、堂所山・陣馬山などを縦走する本格派コースです。健脚向け（約18km）ではあるものの、名山を一気にめぐれる貴重な機会。興味のある方は、ぜひ参加してみてください。

以前から「登り慣れた人は、蛇滝から高尾山に登る」なんて話を聞いていましたが、こうして八王子の山を深掘りしていくと、“ちょっとディープな登山”は八王子ツウらしさ満点。気軽に登れる低山から挑戦してみたくなりますね。