地元企業の紹介です。今回は、七国に工場がある、株式会社「榮太樓總本鋪」さん。お話を聞いたのは、同工場の生産管理部長の細田さん。江戸時代から200年以上続いているという、その秘密を探ってみました。
始まりは屋台
江戸時代、創業者・栄太郎さんが作った金鍔(きんつば)は魚河岸で働く人に大変人気があったという。現在、本社がある日本橋と同じ場所に店舗を構えてからも、「甘名納糖」(甘納豆の元祖)、玉だれ、梅ぼ志飴、みつ豆、あんみつなど、時代の変化に合わせて、画期的な商品開発を実現してきました。ホームページには、会社が大切にしているキーワードとして「温故知新」とともに、「味は親切にあり」という言葉が掲げられています。
働きやすいです
現在のスタッフは、自社についてどの様に感じているのか?「うちの社員は、みんな、お菓子に限らず食べるのが好きですね」さらに、「従業員が『榮太樓で生涯働きたい』と思える職場を目指しています」と細田さん。この返答は、期待していたものとは少し違いましたが、働きやすく自分の好きな会社で「美味しいお菓子を作ってお客様に届けたい」という気持ちを大切にしている、それが「味は親切にあり」に繋がっているのだ、と思いました。
工場を七国へ
工場が八王子に移転してきた背景にも従業員への配慮がありました。東日本大震災を機に、老朽化した調布の工場を移転する際、「従業員が通える場所に」とここ七国に決まったのだそうです。現在、全国で販売する生菓子や飴のほとんどは、ここ七国工場で生産されています。徹底した衛生管理をしているので、見学はできませんが、細田さんに工場内の写真を送っていただきました。
工場内(画像は同社提供)
工場で作った商品を、地域住民に販売するのも地域貢献の一つ。「賞味期限の近い商品や、訳アリ商品の格安販売もありますので、どうぞお越しください」と。販売は工場敷地内、正門すぐ。平日の14時~15時30分。
工場売店(閉店後に撮影したので商品は少なめですが……)
地域とつながる
今回の取材のきっかけになった七国中学校とのコラボについて。「本社での和菓子教室、工場での職場体験など、地域とのつながりは大切にしています。今回の中学校とのパッケージ作成は初めてでしたが、私たちにも大いに学びがありました。それは、1年間で生徒たちが大きく成長したことです。最初は、言葉も少なく自信なさげでしたが、最後にはあんなに堂々とプレゼンしパッケージを作ってくれたあの姿に驚きました」と。
企業情報
- 会社名
- 株式会社 榮太樓總本鋪
- 住所
- 八王子市七国1-29-3
- 電話
- 042-690-9800
- 本社
- 東京都中央区日本橋1-2-5
- 工場売店
- 平日14:00〜15:30(土日祝休)
おいしいお菓子に込められた“親切な気持ち”。創業200年の重みを、八王子の工場からも感じました…!
WRITER 投稿者
八王子を中心とした超地域密着型(ハイパーローカル)の地域情報紙です。新聞配達の流通を使い週6日発行・お届けをしています。※現在は読売新聞の購読者に限定して、朝刊に折り込む形で発行しています(日刊:5,000部)。八王子(主にめじろ台1~4丁目、緑町、山田町、椚田町、狭間町、館町、小比企町、寺田町、大船町、西片倉2~3丁目、みなみ野、七国※一部分に配布されないところもあります)に配達されています。