「割烹って、居酒屋より敷居が高そう」「お値段が高そう」というイメージを持っている人は多いのではないでしょうか?私もその1人でした。ですが、このお店を取材して割烹のイメージが変わりました!
八王子駅北口のドン・キホーテとたい焼き屋の間を通るパーク壱番街通りを、甲州街道方面に進みます。3本目の路地を左折して15秒ほど歩くと左側に見えてくるのが、今回ご紹介する『飯酒盃処(いさはいどころ) 玉がき』さん。ちなみに、同店は創業13年目の『烹酌処(ほうしゃくどころ) 玉がき』さんの2号店です。
所在地:東京都八王子市横山町8‐16 澤本アパート1回東側
店内の様子
扉を開けると、白を基調としていて照明が明るく、開放感があるので広く感じます。カウンターが6席あって、入口から左側に2人掛けテーブルが3席あります。
入ってすぐには4人掛けテーブルが1席あります。
ドリンク・フードメニュー
ドリンクメニューです。ビール、サワー、焼酎、果実酒、日本酒、ソフトドリンクのラインナップです。
フードメニューです。すぐ出てくるおつまみ、一品料理、肉料理、ご飯物のラインナップです。
カウンター奥の壁に掛けられているホワイトボードには、上段は本日のおすすめの料理、下段は本日のおすすめのお酒が書かれています。写真は、取材日当日のおすすめ料理とお酒です。
それでは、大将・真(しん)さんおすすめのメニューをご紹介していきます!
お通し(なめ茸と山芋)
なめ茸をお酒とみりんを入れて煮て、煮汁を多めに入れています。優しい味付けですでに生ビール(黒ラベル)が進んでしまい、この後食べるお料理の味に期待が持てました!赤い鯛の箸置きが可愛いですね♪
鶏わさび 750円
食べるのが勿体ないほど、美しい盛り付けです!出汁とみりんと薄口醤油で味付けしています。ササミは20~30秒でサッと茹でるので、ものすごく柔らかいです!細かく刻んであるのは大根で、ネギと海苔とわさびと一緒に食べます。お通し同様、優しい味付けです。わさびと一緒に食べると、辛味の味変になります。
カンパチのりゅうきゅう 850円
『りゅうきゅう』とは、地元で水揚げされた旬な魚を甘醤油でサッとくぐらせて、薬味をたっぷり乗せて食べる、大分県の代表的な郷土料理だと教えていただきました。一種の保存食だそうです。同店の『りゅうきゅう』は、鹿児島の醤油で漬けて、薬味(ネギ、白髪ネギ、ミョウガ、わさび、生姜)で食べます。お魚好きにはたまらないおつまみです!お茶漬けにもできるそうで、絶対においしい!食べてみたくなりました。
タレとして使用している、鹿児島の醤油を見せていただきました。
「鶏わさびもカンパチのりゅうきゅうも、立体感を意識した盛り付けをしています。もともと寿司職人だったので、お造り盛ったりする時に平たく盛るよりもメリハリがあった方がキレイに見えるしおいしくも見えるからです。見て楽しむってことですね。」と真さん。
島らっきょう 450円
もともと私は島らっきょうが苦手なのですが、思い切って食べてみました。他の島らっきょうより苦みが少なかったので、『飯酒盃処 玉がき』さんのなら食べられます!
子持ちカレイの煮付け 950円
定番メニューにもおすすめメニューにも載っていないメニューを、出してくださいました。出汁・醤油・みりん・お酒で15~20分ぐらい煮ています。カレイの上にはネギと白髪ネギが乗せてあって、ごぼうと里芋が添えてあります。カレイはとにかく柔らかくて、身がポロポロ崩れてお箸でつまむのが難しいほどです。
黒酢酢豚 1,200円
酢豚には大きくカットされた豚の角煮が入っています!真さんが若い時によく行っていた中華料理屋さんの酢豚の味がおいしかったので再現したそうです。お肉はあらかじめ下茹でしておいて餡と絡めています。豚の角煮は柔らかくて、濃い黒酢を使用している餡の味が絶妙なバランスです。
角煮入り 小田蒸し 1,500円
小田蒸しとは、うどん入りの茶碗蒸しのことで、大阪の郷土料理です。大阪にはたくさん行ったこともあって、友人知人が多いのに、初めて知りました!作り方は普通の茶碗蒸しと同じで、器の大きさの違いとのことです。同店の小田蒸しはうどんの他、ネギ、ブロッコリー、里芋、贅沢に豚の角煮が入っています。玉子っぽい味は薄くて、出汁の味でクリーミーになっています。里芋も豚の角煮も甘く味付けされていておいしいです!
「小田蒸しは昔から知っていました。寒い日に作ったり賄いで出して評判が良かったので、メニューにしました。これだけの大きさなので蒸すのに30~40分、混んでいる時は注文が入ってから1時間近くかかる時もあります。ゆっくり飲んで〆に食べたいという方は、早めに注文してくれると嬉しいですね。」と真さん。
バターチーズ(いちじく)
メニューには載っていないのですが、バターチーズのいちじく・マンゴー・プレーンがあります。3種盛は1,000円、単品は各種800円で提供しています。サービスで出してくださったいちじくは2切れですが、注文するともう少し量を出していただけます。味はレーズンバターをイメージしていただければ!ワインが欲しくなりました(笑)
余談ですが、週2日は通われているという常連の石井さん。お店の魅力を聞いてみたところ「大将の人柄じゃないですか。料理もおいしいです。なかでも何でもおいしいですが、『砂肝ときゅうりのニンニク和え』と『鶏南蛮』です。タルタルは自家製というのがいいんですよね」とのことでした。
義左衛門 1合1,300円
本日のおすすめのお酒から、三重県の日本酒を注文しました。
グラスから盃に日本酒がこぼれる量を入れてくださると、日本酒好きならテンション上がりませんか?香りも味もフルーティーで、甘みが強く飲みやすいです!
一粒の麦 100ml 700円
定番のドリンクメニューである麦焼酎の1つです。他に『和ら麦』『童一』があります。
麦焼酎の中でも、クセが強くないと思います。
あらごしみかん酒 700円
定番のドリンクメニューの果実酒の1つです。同店では、みかん・桃・梅を取り揃えています。瓶に入った見た目はまるでオレンジジュースで、お味も飲みやすくグビグビ飲めちゃいます。
大将・真さん、スタッフさんにインタビュー
いつも気分によって営業中に店内で流す音楽を変えているようで、「取材日はテンションをMAXで!」と、MAXの曲がかかっていました(笑)
飲むと止まらなくなってしまうほどのお酒好きで、休日は友人の息子さんと一緒に桃鉄をやって遊ぶというお茶目な大将・真さんです。
――さまざまなジャンルのおいしい料理を提供できる秘訣は?
他のお店で食べておいしいと思ったら、1回自分でアレンジしたりして作ってみるんですよ。イケる!と思ったら、メニューで出しています。脂っこいものが食べたい、さっぱりしたものが食べたいなど、いろんなお客さんの要望に応えられるジャンルを問わないメニューを考えています。寿司職人をやっていた時に教わったのですが、料理人は演者で料理はエンターテイメントで、見映えもその1つだと。食べる前に感じるのはまず見た目、香り、食べたときの感動、余韻、酒、それがすべて揃って「うまい」となるんです。
――お店の特徴、こだわりは?
うちのメニューは、居酒屋寄りだと思います。他の居酒屋さんは分かりませんが、うちはすべて自分で作ります。食材や手作りにこだわっている分、多少値段設定は高くなります。値段設定に見合った料理、見映え、味、空間も接客もそうですし、全部含めてのサービスですね。料理は手間暇かけています。寿司職人をやっていた時は、カウンターのお客さんと話しながら寿司を握っていました。バックヤードに厨房があるお店だとできませんが、うちのような造りだと、寿司職人の時のように調理しながらお客さんとお話ししますね。おいしい料理を懸け橋として、お客さん同士が楽しんでくれたら嬉しいですね!
――スタッフのみなみさんからもお店の魅力をお聞かせいただけますか
真さんはいろんなお店で修業してきたので割烹レベルの料理が出せますが、割烹までのカチカチとした雰囲気は求めていないというお客様が多いので、私たちスタッフは割烹と居酒屋の中間ぐらいのフレンドリーさを意識しています。気軽に入れるあたたかい雰囲気と、手間暇を惜しまないお料理を楽しんでいただければと思います!
真さんがフレンドリーでお話好きで、味のレベルが高い創作料理をお手頃価格で提供してくださったので、イメージが変わりました!
中にはしょっちゅう行けないような値段設定の高級割烹もありますが、『飯酒盃処 玉がき』は清潔感のある居酒屋感覚で行けるお店です。特に敷居が高くて入りづらいと思っている人には、気軽に入れる雰囲気を感じてほしいので、ぜひ行ってみて欲しいです!自信を持っておすすめします!
飯酒盃処 玉がき
※情報は取材当時のものです。来店の際は公式情報をご確認ください。
- 住所
- 東京都八王子市横山町8‐16 澤本アパート1階東側
- アクセス
- 八王子駅北口 徒歩5分
- 営業時間
- 17:00~24:00
- 定休日
- 火曜日
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