童謡「夕焼け小焼け」の「山のお寺」ってどこ?その1『宝生寺(ほうしょうじ)』西寺方

童謡「夕焼け小焼け」の「山のお寺」ってどこ?その1『宝生寺(ほうしょうじ)』西寺方

【八王子見てある記】シリーズ<童謡「夕焼け小焼け」の「山のお寺」ってどこ?>その1

八王子の歌といえば「夕焼け小焼け」。歌詞にある「山のお寺の鐘が鳴る」のお寺とは?今回の見てある記は、その答えを探すための3回シリーズです。ヒントは、作詞した中村雨紅が通った道……。

恩方村への帰り道を歌詞に

中村雨紅が「夕焼け小焼け」を発表したのは1923(大正12)年。勤務地の第二日暮里小学校からの帰り道、八王子駅から恩方村の宮尾神社(自宅)までの約16㎞を歩きながら見た風景を歌詞にしたと言われています。

道は現在とは全く変わっているでしょうが、八王子駅から甲州街道を①追分交差点から陣馬街道を通っても、②高尾方面を通ったとしても、確かに約16㎞です。

①のコースを通ったとすると、まず考えられるのは、夕焼け小焼けの歌碑があるという『宝生寺』です。四谷町を越え、その地名のついた宝生寺団地の手前にありました。

宝生寺・山門

歌碑がありました

境内は広く、正面の立派な山門の両側には仁王像。左には、六道(ろくどう)(衆生が輪廻転生する六種の世界、又は境涯(きょうがい))の思想に基づいて祀られた六地蔵。更に左の奥に…ありました!夕焼け小焼けの歌碑。大きな石に彫られた歌詞の最後には「中村雨紅作詞並書」と書かれています。やっぱり、「山のお寺」はここなのか…。

「夕焼け小焼け」の歌碑

ところで、その鐘は?本堂のある方向に目を向けると、大きな観音様の手前に鐘楼(しょうろう)らしきものがありますが、鐘がかかっていません。

現在、鐘はかかっていません

記念碑によると「太平洋戦争により鐘は供出したが、明治百年を機に復活させた」というようなことが書かれているようです。最後には歌詞と楽譜まで刻まれていますが、現在、鐘がかかっていないことの説明はありません……残念。

記念碑には楽譜も刻まれていました

本堂の左側には、都指定文化財の「毘沙門天立像(びしゃもんてんりつぞう)」を祀った毘沙門堂や、真言宗を開いた空海の像もあり、お寺巡りの目的だけで訪ねても見所の多いお寺です。

宝生寺・本堂

宝生寺・毘沙門堂

宝生寺・観音像

本堂手前右には、「おててつないで」という彫刻もあり、「夕焼け小焼け」との関連の深いお寺であることは間違いないようです。次は、ここ宝生寺から少し恩方方面にある「観栖寺(かんせいじ)」というお寺に向かいます。(中塚)

「おててつないで」

宝生寺へのアクセス

八王子市西寺方町998
「宝生寺団地バス停」から徒歩約2分

関連タグ

WRITER

地域情報紙「よみっこ」

地域情報紙「よみっこ」

記事一覧

八王子を中心とした超地域密着型(ハイパーローカル)の地域情報紙です。新聞配達の流通を使い週6日発行・お届けをしています。※現在は読売新聞の購読者に限定して、朝刊に折り込む形で発行しています(日刊:5,000部)。八王子(主にめじろ台1~4丁目、緑町、山田町、椚田町、狭間町、館町、小比企町、寺田町、大船町、西片倉2~3丁目、みなみ野、七国※一部分に配布されないところもあります)に配達されています。