【八王子見てある記】明治時代のレンガのトンネル
明治時代、鉄道が敷かれるとレンガのトンネルが各地で造られました。八王子にもたくさん残っています。最初に向かったのは高尾。
景勝地へ向かうトンネル
高尾駅から甲州街道(国道20号)を高尾山口方面へ。中央線と交わるところにあるのが『両界橋』。その手前の小道を左に入ると、小さなアーチ型のレンガのトンネルがあります。下は用水路になっているようです。
趣のあるレンガのトンネル
薄暗い中を通り過ぎると、意外な景色が広がっていました。
高尾山の紅葉を背景に、川が流れ、淵になっています。時代から取り残されたような静寂な空間で、大きなシロサギが餌をついばんでいます。しかし、この先はどこかにつながっている様子はないので、さっきのトンネルはここに来るためだけに造られたことになります。実は、ここは「獅子淵」という景勝地で、川の対岸には有名な「花屋」(現在は廃業)という旅館もあります。甲州街道沿いですから、宿場町として栄えていた時代もあったのでしょう。
獅子淵
トンネルを出て、すぐ右に約50m進むと、右に長い階段があり、その上には小さな祠があります。神明神社です。訪れる人は少ないようですが、お正月に向けて新しい紙垂が飾られしでているので、地元の方がきっちり護られているのでしょう。
神明神社
第二石曽根橋梁(きょうりょう)
高尾をあとにし東へ東へ。八王子駅南口を東に突き当たり、左へ。中央線の高架の下(中央線と横浜線の間)を右へ約100m進むと次の目的地(トンネル)です。中央線と八高線をくぐり、手前には横浜線、右奥には京王線の列車と、4つの路線のど真ん中に位置するこのトンネル。
自動車は通れませんが、人や自転車がひっきりなしに通るところを見ると、大切な生活道のようです。見上げると、『第二石曽根橋梁』と、このトンネルの名称が書かれています。通り過ぎると、紅葉した大きなトウカエデが、葉を散らし始めていまた。
第二石曽根橋梁
八王子には、他にもレンガで造られた構造物がたくさん残っています。長沼にはレンガ工場があり、中央線からの引込線の遺構が今も残っています。(中央線上りから見ることができます)また、由井第一小学校には、大正7年の大正天皇のご成婚を記念して造られたと伝わるレンガ製の正門が残されています。(中塚)
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八王子を中心とした超地域密着型(ハイパーローカル)の地域情報紙です。新聞配達の流通を使い週6日発行・お届けをしています。※現在は読売新聞の購読者に限定して、朝刊に折り込む形で発行しています(日刊:5,000部)。八王子(主にめじろ台1~4丁目、緑町、山田町、椚田町、狭間町、館町、小比企町、寺田町、大船町、西片倉2~3丁目、みなみ野、七国※一部分に配布されないところもあります)に配達されています。