八王子花まつりで知る明るい仏教

八王子花まつりで知る明るい仏教

今日は花まつり

花まつりは、お釈迦様の誕生日である4月8日を中心に行われる仏教行事です。それに先立ち、毎年恒例の「八王子花まつり」が4月3日に行われました。八王子市仏教界を中心とした八王子花まつり実行委員会の花まつりは、芸妓衆や木槍り(消防記念会)も練り歩きに参加するとても華やかなものです。

今年は稚児行列も加わり、西放射線ユーロードから会場の桑都テラスまで練り歩くはずでしたが、残念ながら雨で中止に。お稚児さんがかわいそうだと思ったのか、すぐ近くの施設から 30 メートルほどを、僧侶とお稚児さんが練り歩きました。

正式には中止でしたが、短距離だけ練り歩きも行われました

わかる芸能

八王子芸妓衆による奉納舞と、西川古柳座による八王子車人形の演舞が行われました。芸妓衆では桜や花見にちなんだ曲を披露。物語の背景についての解説もあり、分かりやすく楽しめました。

八王子芸妓衆による舞

続いて車人形ですが、普段は見る機会のない人形の構造について説明してくれました。操縦者の左手は首を動かすために使うので、人形の左手を動かすためには使えません。そこで、バネのような仕掛けで動かすそうです。動きは限られますが、制限があることが、かえって演技になるそうです。

車人形の豊かな表現の理由も解説されました

明るい仏教

灌仏会(花まつかんぶつえりの正式名称)法要では読経の後、導師がお釈迦様誕生の様子について説明してくれました。何でも、母親が里帰り出産をしようとしたところ、途中の花園で産気づいたそうです。誕生を天が喜び、良い匂いのする雨を降らせたとか。これが釈迦像に甘茶をかける由来だそうです。産まれてすぐに7歩を歩み「天上天下唯我独尊」と唱えたことで、命の尊厳を人々に伝えたそうです。その話をする導師の表情の柔らかいこと、周囲の僧侶の表情もおだやかです。

甘茶かけ

失礼ながら、仏教行事というとお葬式のイメージもあって、厳粛なものだけを想像していました。しかし、花まつりは誕生日パーティーです。桑都テラスにいると、あまり周囲のビルが気にならず、そこだけが別空間のようです。仏教の明るい側面に触れられた瞬間でした。7月には「八王子とうろう流し」も予定されています。こちらも幻想的な景色が期待できますね。(小川)

誕生の話をする導師

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地域情報紙「よみっこ」

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