『やさしい日本語きほん講座』で学ぶ「やさしい日本語」とは?
グローバル社会への対応が必要と言われていますが、英語で話すことより、まず「やさしい日本語」を使う事が大切、という活動をしている人がいます。
その代表者、宮武茜さんに説明してもらい初めて「やさしい日本語」の意味やその重要性を知りました。
阪神淡路大震災の教訓から
まずはクイズ。
次の言葉を簡単な日本語に言い換えて下さい。
『①見学できます』『②ご覧下さい』『③直ちに高台に避難して下さい』答えは一番最後に記載。
宮武さんたちが、2カ月に一度開催している「やさしい日本語きほん講座」ではこの様なクイズをしながら、楽しく学ぶことができるのですが、大切なのは、「やさしい日本語」がなぜ必要なのかという事です。
「やさしい日本語は政府も強く推進しています。もちろん、外国人の多い八王子でも積極的に進めようとしています。やさしい日本語認定講師という資格もあります。
やさしい日本語の研究が始まったきっかけは、阪神淡路大震災でした。被害(死亡・負傷)を受けた外国人の割合が日本人の約2倍もいたからです。
在留外国人には防災情報がきちんと伝わっていなかったのです」と宮武さん。
さらに、「私自身も数年前に起こった悲惨な事件が原点となっています。この事件には、居場所がない少年や、海外にルーツをもつ少年たちが関わっていました。私は日本語学校に勤務していましたので、言葉の壁で苦しんだり孤立している外国人がとても多い事を実感しています」
9割「日本語話せる」
注目すべきアンケート結果があります。八王子市に住む外国人市民の9割が「日本語で会話ができる」と回答してるという結果です(2021年)。
しかし一方で、その多くの方が日本語の難しい表現によって生活に支障をきたしているというのが実情です。つまり、外国人が望んでいるのは、簡単で分かりやすい日本語なのです。
日本語の難しさと言えば敬語など連想しますが、それだけではなく熟語を使った文章、長くて言い回しのややこしい表現、あいまいな表現などが壁となっているのだそうです。
取材の中で、印象に残ったのが、「カタカナの単語はほぼ外国人には通じない。(日本語英語・発音が全く違う)」という事と、「オノマトペ(擬音語、擬態語)は外国語にはほとんどない」という事でした。前述した防災に関する情報を分かりやすく表現するなど、やさしい日本語は、外国人のみならず、日本人にとっても重要なものです。
また、「やさしい日本語3つのヒント」=「はっきり」「さいごまで」「みじかく」話すという原則は、認知症の方などハンディを持った方への対応にも通じます。
「これからもどんどん外国人が働きに日本へやってきますが、対応は追いついていません。孤立しがちな留学生と日本の学生との交流など、他にもやらなければならない事がたくさんあります。困っている外国人がたくさんいます。日本語を教えるボランティアも不足しています。一人でも多くの方に広めていきたい」と宮武さん。
■次回の「やさしい日本語きほん講座」は5月21日。どの年齢の方にもお勧めです。【取材:中塚】
やさしい日本語きほん講座について
開催日 2022/05/21(土)会場
八王子市市民活動支援センター
JR八王子駅から徒歩3分
所在地
八王子市旭12-1 ファルマ802の5階
参加費
500円
定員
10名
主催
kokohana(やさしい日本語でつながる八王子の会)
お申込みはお電話で!!
電話 : 090-7844-8722(担当者:松原)
【冒頭のクイズの答え】
①見ることができます
②見てください
③すぐに高い所に逃げて
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