駅前の『八王子フラッグ』制作の裏話を都立大生に聞いてみた!

駅前の『八王子フラッグ』制作の裏話を都立大生に聞いてみた!
ももい かえで

先日紹介した、八王子駅前に連なる『藍色のフラッグ
もうすっかり街に馴染んでいますよね~😊
今回、実際制作に携わった都立大の学生さんたちに制作秘話を伺って参りました!

苦労した裏話や試行錯誤の跡が見えると、より一層フラッグに愛着が湧いてきますよ。ぜひご覧くださいませ❤

八王子駅周辺に“藍色のフラッグ”がたくさん飾られている!

公開日: 2022.10.07

まちなか活性化のための取り組みだった 実はこれ、八王子市が行っている『中心市街地活性化』のための取り組みのひとつなんです。 『八王子らしさを感じ、巡りたくなるまち』をコンセプトに、 東京都立大学システムデザイン学科の学生さんたちがデザインし…

都立大へ潜入!

今回お邪魔したのは『東京都立大学 日野キャンパス』

今回制作をしてくれたのは東京都立大学 日野キャンパスにある、
システムデザイン学部・インダストリアルアート学科、ヴィジュアルコミュニケーションデザインスタジオ
デザイナーでもある菊竹 雪教授と、大学院・学部の学生11名で構成された研究室です。

菊竹教授が、都市や建築、空間と関わるグラフィックデザインの研究を行っているため、今回のプロジェクトの制作担当に抜擢されました。

■ インダストリアルアート学科
■ 東京都立大学
■ 菊竹雪教授プロフィール

その名も『そめるプロジェクト』

そもそもなぜ、フラッグが作られたかというと・・・

2022年10月、11月と立て続けに『東京たま未来メッセ』と『桑都テラス』の2つの施設が続々NEWオープン!
これを期に八王子に来てくれる観光客の皆さんをを歓迎しよう!という意味を込めてフラッグの作成に至りました。

【10/14】『東京たま未来メッセ』開業!心ときめく未来が、ここから始まる。

公開日: 2022.10.12

駅近で好アクセスな立地 八王子駅から徒歩5分、京王八王子駅から徒歩2分。 都心からも1時間足らずでアクセス可能な立地です。 所在地:東京都八王子市明神町3-19-2 京王八王子駅からJR八王子駅方面へ向かい、『保健所前』の交差点を左に曲がる…

そしてこの取り組みはそめるプロジェクトと名付けられました。

ももい かえで

なるほど!染め物の『染める』と“書き初め”の『初める』というダブルミーニングなのですね!
スゴイおしゃれすぎませんか・・・😭

驚きの工夫が沢山!!㊙制作裏話

まず、教授が提案したコンセプト案がこの二つ。

数字が入る『八王子』という印象的な地名
→数字の『8』

織物の町、歴史や文化のある町の象徴として
→『のれん』

以上『数字の8』と『のれん』の二つのキーワードからデザイン案を膨らませて制作を進めていく事に。

東京都内で、地名に数字が入っているのは『四谷』『六本木』などがありますが
『市』という大きな単位で数字のつく地名は『八王子』しかないなと思い、シンボルとしてインパクトがあるので採用しようと提案しました!

菊竹教授

フラッグができるまで

教授からのディレクションを受けて、フラッグが出来上がるまでを特別に大公開!

① 街歩きで“八王子を知る”

まずは八王子駅前を実際に歩いてみて、いつも通らない裏通りを散策したり、普段歩いていてもあまり目につかないようなものも意識的にチェックしたりしました。

特に中町の黒塀エリアでは歴史や文化を改めて確認することができました!

② 藍染体験にも挑戦!

のれんをテーマにしたならば、まずは実際に染め物を自分たちの手でやってみよう!ということで藍染体験にチャレンジ!

服や小物を藍に染めていく過程で『染め物とはこういうものか・・・🤔』と皆さん実感できたとのこと!

着古した服がオシャレによみがえる!『野口染物店』で藍染体験やってみた!

公開日: 2022.05.03

着なくなった服を藍染リメイク! 老舗の風格漂う『野口染物店』さん。 所在地:東京都八王子市中野上町4-20-11 染めるものは『飽きた・しみがついて着れなくなった』など、タンスに眠っている白地のものを各自用意!服の他にはバッグや小物でもOK…

③ デザイン案を出す

街歩きでみなさんが感じたことは良くも悪くも『雑多』である。という印象。
あまりカラフルにしてしまうと他の景観とケンカしてしまうのではないか・・・?

そのため、カラーは染め物らしく『藍色一色』にしぼりました。

また、デザインは『8』をモチーフに、漢字・カタカナ・抽象的な形状・模様など。最終的に33種類で決定。

街歩きの中で感じた要素をそれぞれ形にしてくれました!
1つの案をみんなで意見を出し合って、どんどん洗練させてデザイン案がようやく完成しました。

菊竹教授

④ 色味も試行錯誤

色は普通の藍色ではなく『印度藍』という濃厚な色合いの藍色を採用。
色味や濃度の違う藍色を数十色プリントして比較し、最終案の藍色を決定しました。

机に並べてせーのでどれがいいか指さしたり、日本の色辞典を見ながら慎重に選んだとのこと。
ずっと見続けていたら藍色ゲシュタルト崩壊しちゃいそう😭

⑤ グラフィックソフトで質感を再現

作成したデザインはグラフィックソフトで描画していきます。

このとき、普通に描くとただの曲線ですが、ひと手間加工を加えると・・・

こんな風に染め物風に『にじみ』を表現できるのです!

ここからさらにひと工夫!

藍と白の中間色をぼかして拡大したものを下に配置すると・・・?

ももい かえで

エーーー!これ、デジタルなのに完全に藍染めですよ!!!

境界のにじみをより藍染っぽく、リアルに仕上げたかったのでこのようなひと手間を加えました!
やっぱり実際に藍染めを経験したので『本物はこうじゃないか・・・?』とみんなで考えました。

学生さん

出来上がったデザインデータは印刷して、プロジェクトの担当の方たちにチェックをいただきました。

どのような経緯やコンセプトをもってこのデザインにしたか、など各々プレゼン。

感想や意見もたくさん聞くことができたそうです!

紆余曲折を経て完成!

出来上がった33種類全てのデザインはこちら!

バッチリ街なかに映える、素敵なフラッグが誕生しました!

いつものユーロードも、統一感が出て洗練されて見えます!

デザインの中にちょうど『都まんじゅう』をかたどったものがありましたが、無事お店の前に配置成功しています(笑)カワイイ❤

配置については、テイストや雰囲気が重複しないか、印象が異なるものが並ぶようにかなり意識したそうです。

保健所前の仮囲いも見て!

現在工事中の保健所前の仮囲いもこのフラッグのデザインを元に制作!

フラッグのデザインをそのまま入れるのではなく、あえてインパクトを出して目立つようにフラッグを拡大して切り取った柄を採用。
これは菊竹教授が仮囲いのデザインに長年携わってきた経験から、機能的かつ、イメージを印象付けられるようにディレクションしました。

今回のそめるプロジェクトについての思いが詰まっています。

今回のプロジェクトを通して

学生さんたちにお話を伺ったところ、こんな思いや感想をいただきました。

「“文化が乱立しているので町を一つにしよう!”という狙いがあったので、街全体の統一感や八王子のアイデンティティが見えるようになれば嬉しいです。」

「コンセプトは同じですが、それぞれテイストが違うので、歩いてみるたび新しい発見に繋がったらおもしろいと思います。」

「今後は小学校での景観学習に関わるプロジェクトも進行しているので、教育という観点でも力を入れていきたいです。」

ももい かえで

学生さん達のいろんな思いが詰まったフラッグ。八王子がより魅力的になって街のブランド価値が上がりそうな予感しかしません!

フラッグは2023年9月頃まで、約1年間設置予定!
いろんな種類のフラッグは見て楽しいし手作り感あふれる風合いが面白いですね。ぜひ八王子駅周辺に遊びに来た際はじっくり見てみてください♪

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ももい かえで

ももい かえで

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スナック、広告営業、クレーム対応など、あらゆる仕事を散々してきたおかげでストレス耐性が強めです。でもお酒に負けないように頑張ります。 [編集部staff]