めじろ台で15周年、だけど代々辿れば100年以上の“蕎麦屋家系”
めじろ台駅から徒歩3分。京王ストアの裏手に店を構える蕎麦屋『長盛庵』は、今年で15周年を迎えます。
ジャズが流れるモダンな雰囲気の店内。カウンター6席とテーブル席が3卓。
店を切り盛りするのは滝柳 卓(たく)さん。
めじろ台での営業は15年ですが、卓さんの曽祖父である梅吉さんが新宿で蕎麦屋を始めたのが1921年。途中、営業していなかった時期もあるため、めじろ台での開店から年数を数えているそうですが、100年以上前から蕎麦屋を営んできた“蕎麦屋家系”の一族であります。
お店のレジ横の壁には、大正10年に出された「営業許可証」が。大正時代では新宿の一部は、東京市(今の23区のようなもの)ではなく豊多摩郡だったんですね!
取材に行ったとき、ちょうど蕎麦を打つということだったので、特別に見学させていただきました。社会人になって、最初は静岡で旅館のフロントをやっていたという卓さん。その時は、自分が蕎麦を打つことになるとは思っていなかったのだそう。
蕎麦屋飲み、したことありますか?
ところでみなさんは“蕎麦屋飲み”をしたことがありますか?
「お酒と肴を楽しみ、最後に蕎麦を食べる」という、なんとなく憧れを抱いている粋な飲み方。ちょうど一品料理が多い長盛庵で、大人な飲み方をしてみようと思います。
一品料理の数々
一品料理、ドリンクメニューはコチラ。
■ 油揚げ蕎麦みそ焼 528円
蕎麦の前に食べる肴のことを一般的に「蕎麦前」と言いますが、そのなかでも代表格とされるのが“焼味噌”。長盛庵では、油揚げに蕎麦味噌を乗せてバーナーで焼いた「油揚げ蕎麦みそ焼」として楽しむことができます。
ちなみにこの日選んだ日本酒は、山形・冨士酒造の「栄光冨士 純米大吟醸 無濾過生原酒 極超新星 HYPER NOVA 2022」
1778年に創業された老舗ですが、革新的な日本酒を生み出し続けている酒蔵です。山形の新しい品種「雪若丸」で醸したフルーティーな味わいの1本です。
■ 里芋の唐揚げ 550円
長盛庵の人気メニューだという「里芋の唐揚げ」。表面の薄皮一枚を噛んで破くと、中にはホクホクの里芋が待っています。
■ あじ南ばん漬け 638円
通常メニューにない一品料理もたくさんあるので、別紙や店内のメニューボード、さらにInstagramの公式アカウント等も要チェックです。そうしないと、帰る頃に「このメニューもあったのか! 食べたかった!」となります。あじの南ばん漬けは僕の大好物なので、見つけることができてよかったです。
■ 炙りレバ刺し 660円
絶妙な炙り加減で提供される「炙りレバ刺し」。味がついているのでそのままいただけます。レバーの旨味を引き立てている小口ねぎと白髪ねぎのダブル使いが、ねぎ好きにはたまりません。
■ 鶏の炙りたたき 858円
鶏肉本来の味が楽しめる食べ方「鶏のたたき」。炙った表面と中との食感のコントラストが楽しめます。
このほかにも一品料理はたくさんあり、メニューボードに書かれていたのは30品ほど。このなかから、一人なら1〜3品、カップルなら2〜4品、グループならそれ以上というふうにチョイスすると、蕎麦前の時間がとても楽しめると思います。
〆に蕎麦
一品料理をいただきながらお酒を楽しんだら、〆に蕎麦をいただきます。
蕎麦、うどん、丼ものメニューはこちら。
炙り鴨せいろ 兄弟盛り 1,375円
開店当初、長盛庵は兄弟で店を切り盛りしていました。長男の卓さんがうどんを、次男の遊(ゆう)さんが蕎麦を担当。兄弟それぞれが打ったものが食べられる“相盛り”のことを、長盛庵では「兄弟盛り」と呼んでいました。
卓さんがひとりで蕎麦とうどんを打つようになった現在でも、「兄弟盛り」の名前は残り続けています。
ちなみに「炙り鴨せいろ」の「兄弟盛り」は通常メニューにはないのですが、両方食べたい僕のために特別に作ってくださりました。僕だけが楽しんでは申し訳ないので、この記事を見た人限定メニューとして注文できるとのことです。
炙り鴨の濃厚な鴨汁でいただく炙り鴨せいろ。
牛とも豚とも鶏とも違う、鴨独特の肉肉しさと食感が幸福感を与えてくれます。
10月頃から年末頃にかけては新そばの季節。保存技術が発達した近年では、一年中おいしい蕎麦が食べられるようになってきましたが、それでもやはり新そばの香りや味わいは格別。
讃岐から直送される粉で打つといううどん。つるっとした食感や喉越しが心地いいです。ほとんどのメニューで蕎麦かうどんを選ぶことができます。
初めての“蕎麦屋飲み”は、アットホームな店主がいる長盛庵から始めてみてはいかがでしょうか? もちろん家族や仲間とお食事だけでも気軽に利用できます。
また、最寄りのめじろ台駅は高尾山口駅から片道6分なので、高尾山へ登山や観光に来た人もぜひ行ってみてください。
長盛庵
※情報は取材当時のものです。来店の際は公式情報をご確認ください。
- 住所
- 東京都八王子市めじろ台1-10-13
- アクセス
- めじろ台駅 徒歩3分
- 営業時間
- 11:30〜14:30(L.O.14:00)
17:00〜21:30(L.O.21:00) - 定休日
- 木曜日
- 電話
- 042-667-5126
- @mejirodai.choseian
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