【よみっこ】都内最大のネクタイ生地製織工場『成和ネクタイ研究所』
皆さんこんにちは!
「織物の街・八王子」は過去のものと思っていた筆者。
北野町に都内最大のネクタイを中心にした生地製織工場があることを知り、早速取材にうかがいました!
その工場の名前は「成和ネクタイ研究所」。 北野駅から八王子バイパスを北へ。中央線(ルームズ大正堂)の手前にあります。
本社は、千代田区九段にあり、絹織物の代表的生産地である八王子(明神町)に工場を建設したのが1956年。1960年に北野町に移転。水道局建設に伴い、今から37年前の1985年に現在の場所に移転しました。
製織機の説明をする沼倉さん。左は、和田業務統括部長。機資料館
最初に目についたのが入口右にある「機資料館」。入口には温故知新という文字。
「昔の織物の機械などが展示されています。興味のある方には面白いでしょうね。連絡頂ければ時期にもよりますが見学も可能です」と、業務統括部長の和田さん。
「ネクタイの製造には、企画、デザイン、染色、製織、縫製に至るまでたくさんの工程があり、この工場で行っているのは主に製織、つまり生地を作ることです。常に最新の技術を駆使し、研究を続けてきました」とのこと。
大きな工場ですが8名で管理しています 縦糸を巻く工程1万6千本の縦糸
工場内を見学させてもらいました。案内は、工場長の沼倉さん。
「糸の材質や機械の高速化など技術が向上しても、縦糸と横糸で織るという基本は昔から変わりません。ネクタイの生地は、他の衣料などとは違い、固く織るのが特徴です。この製織機の縦糸は1万6千本あり、2週間位でなくなりますので、一本ずつ繋ぎ合わせます。昔は手作業だったので、よじり込みと呼んでいます。今は機械ですが、専門の職人がやっても一台に約6時間、素人がやると4日間はかかります。一般的に縦糸は黒か紺色ですが、この工場では、生地のデザインにより様々な色を使用しています。手間はかかりますが、良い製品を作るために手間は惜しみません」と沼倉さん。
常に最新の技術を
現在は公害の観点から作れませんが、絹ネクタイの高級化のための錫加工とその生産に日本で初めて成功したのがこの研究所。現在は、クールビズなどの影響で、ネクタイの需要が減少する中、インテリア製品などの生地も開発中とのこと。また、「技術だけでなく、丁寧に心を込めて作るというモノづくりの心を大切にしている」とのこと。
機資料館の「温故知新」はそういう意味だったんですね。海外にも出荷されていると聞き、八王子市民として誇らい気持ちになりました。(取材:中塚)
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