【よみっこ】車人形って意外に面白い@西川古柳座稽古場
八王子の伝統芸能の代表と言えば車人形。
その定期公演が行われていると聞き、取材がてら観てきました。
国の重要無形民俗文化財と聞くと敷居が高そうですが意外に面白い。
それもそのはず、そもそも歌舞伎も文楽(人形浄瑠璃)も車人形も大衆芸能ですから。
編集局(椚田町)からバイクで15分、西川古柳座稽古場に到着。
この日の最初の演目は『三番叟(さんばんそう)』
歌舞伎や人形浄瑠璃でも演じられる祝言の舞。
撮影しながら最も興味を引いたのは人形の操り方です。
文楽は三人で人形を操りますが、車人形では両手、両足、首、かしら目・口・眉まで一人で操ります。
人形の足で直接舞台を踏めるのでより人間らしく力強い演技が可能であり、その技法は世界でも類を見ないものです。
三番叟(演者は、五代目西川柳玉さん)
二つ目は、時代物の代表作『日高川入相花王(ひだかがわいりあいざくら)』
演じる前に、五代目西川柳玉(りゅうぎょく)さんが人形の操り方や、物語のあらすじや見所を解説してくれたので、太夫(たゆう)による台詞や語り(この日は音源)が理解できなくても楽しめました。
特に、清姫という主人公の表情の変化がよく分かりました。
日高川入相花王
三つ目は、『洋舞(ようぶ)』
これは、新車人形という技法で、海外公演でその地域に因んだ踊りを取り入れたもの。
この日はフラメンコ。
両足も操れる車人形ならではの躍動感があり、現地で大いにうけたのも納得です。
洋舞(フラメンコ)
終演後には、観客の質問に応じたり、実際に人形の操り方を教えてくれたりもします。
その距離の近さや演じている柳玉さんやスタッフの穏やかな人柄に強い親近感を覚えました。
おまけに柳玉さんは7月までめじろ台に住み、スタッフの渡邉さんはシャトレーゼめじろ台店に勤めていると聞けば益々身近に感じます。
初の試みであるこの定期公演について、 「いちょうホールや海外での公演に来ていただくことも勿論嬉しいですが、『聞いたことはあるが見たことがない』という方々、特に地元八王子の皆様に気軽に観て頂きたいという思いで始めました」と。
料金を大人1,000円に設定したのもそういう理由です。
終演後は人形に触れたり質問する場面も
八王子車人形 定期公演
【会場】
西川古柳座稽古場
所在地:東京都八王子市下恩方町1566
【9月開催日程】
19(火)・25(月)・26(火)・28(木)
申込不要
【時間】
午前の部11:30~
午後の部14:30~
【料金】
大人 1,000円
中高生 500円
小学生以下 無料
【アクセス】
車:八王子市下恩方町1566 (P6台)
バス:高尾駅北口から西東京バス
行先:『宝生寺団地』『恩方ターミナル』『美山町』『大久保』『陣馬高原下』行き
バス停『川原宿大橋』下車 徒歩約10分
江戸時代の人は、今の映画やコンサートの感覚で、或いはアイドルを追いかけるように出かけたのでしょう。
因みに柳玉さんもかなりのイケメン。
この定期公演は10月以降も続ける予定とのこと。
是非、観に行ってみて下さい。(中塚)
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