【よみっこ】伝統を継ぐ金髪青年 YouTubeで『車人形』の新しい世界を発信

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地域情報紙「よみっこ」

皆さんこんにちは!
『東京都無形文化財』であり、国の『記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財』にも指定されている『八王子車人形』

20歳でその家業を継いだ男性がいます。その名は、西川柳玉。
本日と明日2日連続で彼の想いや活躍をお伝えします。

欧米でも有名

『八王子車人形』。
その家元の西川古柳さん(67)は、八王子観光大使にもなっているので、八王子市民の皆さんならご存知でしょう。
約200年前、江戸末期に考案された車人形。文楽では3人遣いですが、車人形は『ろくろ車』と呼ばれる車を収めた箱に座り、1人遣いで人形を繰ります。この手法は、世界でも類を見ないと言われています。

その五代目西川古柳家元は、日本のみならず全世界で公演し、いまや『日本でより世界の舞台芸術界で有名』に。
事実、コロナ禍前には、毎年5回以上の海外公演を行っており、毎年数か国から研修生や留学生も受け入れていました。人形劇が盛んな欧米では、車人形は非常に好まれるのです。

金髪の青年

家元は筆者に約10年前、こう語っていました。「一人息子は、離れて暮らしていて。車人形は継がないかもしれないなあ。」と。「そうなんですね…。」返す言葉がなかった筆者です。
ところが、今回、家元に久しぶりにコンタクトをとると、「息子は今、五代目西川柳玉として車人形をやっているんですよ。」とのこと。びっくりして早速インタビューを申し込みました。ちょうど、西川柳玉さん(25)は、和泉元彌さん、吉沢京子さんとの舞台も控えていて、お会いすると金髪でした(笑)。
「性格が内気なんです。なので、形から派手になってみようと」と、柳玉さん。
「淡路島人形座で約1年修業し、それからは父親の家元とずっと行動を共にしています。」

西川古柳家元(左)と柳玉さん

今年2人で演じた演目『芥川』。アメリカ公演も予定されている

近くで見るお父さんってどう?と聞くと、「オールラウンドに演じていて、しかも劇団経営もしていて、すごいの一言です。」とのこと。
「でも、器用なので何でも自分でやっちゃうので、もっと周りに丸投げでいいのに、とも思います。」と気遣ってもいます。

ユーチューブが秀逸

25歳の柳玉さんは、昨年から『 人形遣い西川柳玉ryuugyoku nishikawa 』というユーチューブチャンネルを開設、すでに300人を超える登録者数があります。その内容が面白すぎる。車人形の構造の説明や、なぜ手が動くのかの説明の回もあれば、彼の新作車人形演目もあり。
『人形遣いが歌うアンパンマンのマーチ』のタイトルで、彼が歌う回も。なんと彼がうつ病を患った経験もリアルに語る回もあります。
秀逸は、『よく喋る父と喋らない僕』の回。西川古柳家元と、その息子西川柳玉さんの関係性がリアルに描かれています。


とにかくスマホを持っている皆さん、こちらのURLからどうぞ。『八王子車人形の新時代』を感じると同時に、これを自由にやらせた西川家元の懐の深さも感じるでしょう。
■ YouTubeチャンネル 人形遣い西川柳玉

西川家元と柳玉さん親子はこのネット時代に『八王子車人形』をインターナショナルな『KURUMANINGYO』に昇華させていく。そんな予感がします。
■ 明日は、和泉元彌さん、吉沢京子さんとの舞台公演について。(取材 : 高田)

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