専門家と市内バラ園を巡るマイクロツアーでバラの魅力を満喫!
みなさん、マイクロツーリズムって知っていますか?
地域の魅力的なスポットを巡り、地元の良さを再発見する観光ツアーのこと。
遠出しなくても楽しめて、地域への関心が深まるなど、新たな観光スタイルとして注目されています。
今回は八王子市内のバラ園を専門家と巡るツアーに参加して、バラを中心とした八王子の新たな魅力に浸ってきました。
その様子をレポートします!
多摩地域発!学生が企画するマイクロツアー
そもそも今回のツアーは、大学生などの学生チームを対象に、地域の課題を解決しつつ『観光まちづくり』に役立つアイディア企画を募集する『タマリズムコンテスト』の応募作品から生まれたもの。
この『タマリズムプロジェクト』は、多摩市、稲城市、八王子市、日野市、町田市の5市と多摩大学総合研究所、京王観光㈱が連携して、2021年度からスタート。優れたアイデアは、自治体、観光協会、地元事業者と連携しながら事業構築され、次年度以降の実用化を目標としています。
2022年度は、バラをテーマに美容体験や周辺地域のバラ園見学などのツアーを企画した山野美容芸術短期大学の『Yamatan Belle Rose』チームが最優秀賞を受賞。その企画をもとに、東京都商工会連合会 多摩観光推進協議会が観光コンテンツ化を目指して、今回のモニターツアーが開催されました。
写真は『Yamatan Belle Rose』チームの学生たち。
学生さんが考えたツアーだなんて、新鮮な体験ができそう!
専門家にバラ園を案内してもらえるなんてバラ好きにはたまらない企画ですね。
専門家と市内のバラ園を巡るマイクロツアーがスタート!
集合場所はJR八王子駅南口。京王観光㈱の社員さんが案内してくださいました。この日の参加は15人!
少人数で短い距離を移動するということで、京王タクシーを利用しました。
ちょっとした移動ならタクシーの乗合も便利ですね!
山野美容芸術短期大学でバラ講座&ローズガーデン見学
最初の目的地は山野美容芸術短期大学。八王子が誇る、美容のプロフェッショナルを育成する大学です。タクシーで10分ほどで着きましたよ!
下村毅さんによる『バラを楽しむ秘訣』講座
始めに、日本園芸協会ローズコンシェルジュの下村毅(たけし)さんによるバラのお話。
下村さんは、八王子市中山の自宅近くにバラ園『花の音-hana.no.ne-』を開くバラ愛好家。山野美容芸術短大のバラ園『ミアアイコローズガーデン』の監修も行っています。
この日の講座は『バラを楽しむ秘訣』と題して、バラを鑑賞する際のポイントを解説していただきました。
心に残ったエピソードが、1867年に新種の品評会で優勝し、バラの世界に革命を起こした『ラ・フランス』の話。
ピンク色の大輪の花、ダマスク系の強い香り、完全な四季咲き性を備えた『ラ・フランス』を起点として、このバラ以前からあるバラをオールドローズ、後に作出されたバラをモダンローズと呼ぶようになったのだそう。
そして、四季咲きの大輪1輪咲きの『ハイブリッドティー』という系統が生まれ、品種改良によってさまざまなバラが生まれるきっかけとなったそうです。
この『ラ・フランス』は、ミアアイコローズガーデンで鑑賞できます。
そのバラが誕生した背景を知ると、見方が変わりますね!
解説を聞いていなかったら素通りしてしまったかもしれません。
この日に見学するローズガーデンは
・山野美容芸術短大『ミアアイコローズガーデン』
・結婚式場『Royal Garden Palace八王子日本閣』
・下村さんの『花の音-hana・no・ne-』の3か所。
その見どころポイントを簡潔に解説していただきました!
ローズガーデンは監修者がいて、監修者の想いやメッセージが込められています。
それを考えて鑑賞すると、監修者がどんなことを大切にして庭を作ったのかがわかりますよ。
さっそく観に行ってみましょう!
『ミアアイコローズガーデン』見学
大学の入口横にある『ミアアイコローズガーデン』。
レンガで囲ったハート型の花壇が愛らしいです。
シンボルローズの『ミアアイコローズ』。
大学の現学長、山野愛子ジェーン氏の娘の山野ミア愛子さんの名前から名付けられたバラ。
濃いピンク色と小ぶりの花が愛らしいですね。
こちらのガーデンの特徴は、多くの『スタンダード仕立て』のミアアイコローズを植えていること。
『スタンダード仕立て』とは、太く長く育てた台木の上に違う品種のバラを接いで、こんもりとブーケのように花を咲かせる仕立て方です。
高低差を生かしたレイアウトなど、庭のアクセントにぴったり。ただ、仕立てた苗は高価で数も少ないそうです。
そして、このスタンダード仕立てのバラは、地域住民が参加して作ったものなのだそう!
1月に仕立て方の講座で接ぎ木した苗を自宅に持ち帰り、各自で大切に育ててから、5月にガーデンに移植したそうです。
多くの人の想いがこもったローズガーデンなのですね。
こちらには、ミアアイコローズの株が55本、スタンダード仕立てが17本植えられているそうです(2023年5月現在)。満開の時期に訪れてみたいですね!
ほかにも、日本に自生する野生のバラで、原種バラの『ノイバラ』、その変種の『ツクシイバラ』(絶滅危惧種Ⅱ)なども植栽されています。
ノイバラはバラ苗の接ぎ木の台木に使われたり、秋には赤い実(ローズヒップ)を付け、リースなどの花材にも使われたりします。
バラ園は国道16号(東京環状)に面しているので、近くを通る際はチェックしてみてくださいね。
インスタグラムも開設しています。インスタID:mia.aiko_rose.garden
結婚式場『Royal Garden Palace八王子日本閣』
続いては、大学から通りを渡ってすぐのところにある、結婚式場『Royal Garden Palace八王子日本閣』。
敷地内には40品種500株(!)のバラが植えられているそう。
チャペルの前で可憐な白バラがお出迎えしてくれました。
結婚式場に入る機会などめったにないので新鮮です。 さっそく中に入ってみましょう!
野趣あふれる庭園を眺めながら絶品ランチ
ガーデン見学の前に、まずは昼食休憩。さすがは八王子を代表する結婚式場。ゴージャスな雰囲気です。
洗練された雰囲気の中でゆったりランチをいただけるなんて素敵ですね!
お品書きもバラのイラスト入り。ちなみにレストランの名前も『フローラ』と、まさに花づくし。
前菜盛り合わせは3種類のテリーヌ
ハンバーグ赤ワイン煮込み 白身魚のフライタルタルソース盛り合わせ。濃厚な味わい!
パティシエおすすめのデザートはりんごのシブースト。ふわふわとした食感と甘酸っぱいりんごと香ばしいクランブルがマッチして大満足。
どれも本格的でおいしかったです!
そして特筆すべきは、窓からの景色。
こんな本格的な庭園が観られるんですよ!すごくないですか??
滝が流れ落ちている様子に驚きました!
結婚式場ならではの光景。純白のドレスにブーケが素敵ですね。
八王子日本閣ガーデン見学
お腹が満たされたら、いよいよお待ちかねのローズガーデン見学へ。
裏庭に回って、ガーデンウエディングのエリアに到着しました。
屋根と柱で建てられたガゼボと、周りを包み込む緑が眩しい!まるで、物語の中から飛び出してきたような雰囲気です。
5月には、ガゼボ全体に花が咲いて、あふれんばかりの白バラに囲まれてロマンチック!
(写真は高橋造園サイトから転載させていただきました)
このバラは『つるサマースノー』という品種で、枝にトゲがほとんどなく、しかも枝が細くて柔らかいので、誘引作業がしやすいのが特徴です。
花付きもよく、春にはすばらしいガーデンが楽しめますよ。
こちらのガーデンの監修者は有名なローズファーマー、山梨ロザヴェールの後藤みどりさん。維持・管理を担当するのは、八王子市小比企町の高橋造園です。
高橋造園の高橋社長も『国際バラとガーデニングショウ』(2018年に終了)で入賞する経歴を持つプロフェッショナル。八王子はすごい人がたくさんいるんですね!
こんなに素敵なロケーションで結婚式を挙げられたら、生涯の思い出になること間違いなしですね。
ローズガーデン以外にも、八王子日本閣はこだわりがいっぱい!
野趣あふれる庭園には滝が流れ、出雲大社から祭神を分祀した『御殿山神殿』が建立されています。
結婚式以外にも、七五三やお宮参りで訪れる地域住民が多く、この日も七五三のお祝いに来たご家族を見かけました。
下村さんの解説を聞きながら、葉や株の状態なども観察して、秋バラの魅力を堪能しました。
最近の猛暑で、バラも夏バテして元気を失いがち。
そんな厳しい夏に耐えて秋に花を咲かせるバラは、数は少なくても、きれいな色の花を咲かせてくれます。
バラたちは来年の春に咲くために、今、力を蓄えているんです。
バラの葉が元気なのはとても大切なんですよ。
バラは香りも素敵!癒されます。
大満足の八王子日本閣のバラガーデン見学。大変お世話になりました!
また来年、花を観に来られたらいいなあ…
開花時期に見学に行きたいところですが、勝手に敷地内に入るのはNGです。
見学したい場合は、結婚式場に問い合わせてから足を運ぶようにしてくださいね。
山野美容芸術短大生の美容ワークショップ
歩いて山野美容芸術短大へ戻り、今度は『Yamatan Belle Rose』チームの学生らによる美容ワークショップ。
「企画が形になって、しかもお客さんが実際に来てくれて、本当にうれしいです!」と生徒さん。
フレッシュな学生さんに接すると、元気がもらえますね!
こちらのワークショップでは、バラの香りの効能について学びを深めます。
バラの香りは甘くゴージャスなダマスク系と、紅茶に似た上品な香りのティー系の2つに分類され、特にティー系の香りがリラックス効果や、美肌効果が高いことが実証されているそうです。
なんとラベンダーよりもリラックス効果が高いそうですよ!
バラは美と健康にもよいのですね。
バラの香り豊かなマッサージオイルでセルフハンドマッサージに挑戦。オイルをたっぷりと手に広げて、指先までくるくるとマッサージして、肌にオイルをなじませます。
学生さんにお手伝いしてもらいました。
美容液がたっぷり入ったビニール手袋を付け、さらにもう一枚手袋をかぶせたら、上から温めたタオルを重ねて手に潤いを浸透させます。
「癒される~」と、本日一番のリラックスタイム。
パックの間にバラの蕾入りのローズティーをいただいて、いたれり尽くせりのバラづくし!
最後にバラのエッセンス入りの化粧水とクリームを塗って、ハンドマッサージが完了。
学生がプロデュースした素敵なお土産もいただきました。
バラの形と色合いが愛らしいメレンゲ菓子とローズオイル。可愛すぎて食べるのがもったいない!
八王子市内の個人宅やカフェ、バラ園をまとめたローズガーデンマップ。学生たちが制作した力作です。
若い学生さんとの交流で、心も体もリフレッシュ!
素敵な笑顔に見送られて、大学を後にしました。
山野美容芸術短大の学生のみなさん、ありがとうございました!
美容のスペシャリストとして世界に羽ばたいてくださいね!
下村さんのバラ園『花の音-hana・no・ne-』
最後は下村さんのバラ園『花の音-hana・no・ne-』へ。タクシーで向かいます。
10分ほどで、中山にあるバラ園『花の音-hana・no・ne-』に到着。元気に育ったバラたちが一行を出迎えてくれました。
こちらでは40種60本ほどのバラが植栽されています。
地域の方が気軽にバラに触れ合えるガーデンを目指しており、一年中花が楽しめるよう、バラ以外の花も多く植えられているそうです。
赤ワインのような奥深い色合いの『バーガンディー・アイスバーグ』
スタンダード仕立てと背の低いミニバラを組み合わせるなど、樹高や花のバランスにもこだわっています。
おすすめは、バラの殿堂入りの『グラハムトーマス』(イングリッシュローズ)はもちろん、最近では『エクレール』『ラディッシュ』などの変わったバラも面白いですよ。
こちらが『エクレール』。白から薄い緑をした小花がたくさん咲く、愛らしいバラですね。初めて見ました!
ゆったりとバラを鑑賞できるように、フェンス仕立てのつるバラの前にベンチを置いています。満開のバラをバックに記念撮影はいかが?
ほかにも、きれいな秋バラがたくさん咲いていましたよ。
こちらは下村さんのご自宅。自宅の外壁にも枝が伸びてベランダに届きそうな勢いです。
すごくりっぱな枝ぶり!愛情を込めてバラを育てているのが伝わってきます。
愛らしい多肉植物たちがいっぱい。こちらは販売も行っているそうですよ。
たっぷりバラを満喫して、本日のツアーはこれにて終了!八王子駅にタクシーで戻って解散となりました。
『花の音-hana・no・ne-』へのアクセス
見学は365日可能とのことですが、駐車場はなく、バスでのアクセスが基本。
八王子駅と南大沢駅を結ぶ京王バスで『中山』バス停で下車。中山交差点を北野台方面に進んだ通り沿いにあります。
「車の使用を希望の場合は、事前にインスタグラムか、Facebookのダイレクトメールから問い合わせをしてください」と下村さん。
開花状況はSNSに随時アップされているので、ぜひチェックしてみてくださいね。
Instagram
https://www.instagram.com/hana.no.ne_official/
facebook
https://www.facebook.com/nakayama.rose.garden
最後まで読破していただき、ありがとうございました!(長かったですね…)
八王子のバラ園見学ツアー、いかがでしたか?
今回、このモニターツアーに参加して、八王子にこんなにバラが魅力的なスポットがあることを初めて知りました!
大学や結婚式場など、普段では立ち入れない場所に入って見学できたことも、ツアーならではのメリットですね。
何よりも、こんなに素敵な企画を考えてくれた山野美容芸術短大の学生さんに感謝です!
八王子を巡るマイクロツアー、ユニークなアイデアがたくさんありそうです。チャンスがあったら、参加してみてくださいね!
WRITER 投稿者
八王子在住13年。笑顔を撮るのが大好きなママカメラ&ライター。スポーツ、人物、街イベント、料理など、幅広いジャンルの撮影を行なっております。アウトドアが大好き。子どもと一緒に楽しめるお出かけ情報やスポーツイベント、アウトドア情報など、親子で楽しめる八王子情報を発信していきたいと思っています。