日本蜜蜂のハチミツを美山町で生産し始めた人がいます。
宮崎雄平さん33歳。
八王子の狭間出身で20代から農業に携わり、今では母親ゆりさんの故郷長野県で農園を営んでいる青年です。
雄平さんは10代の頃、国立高校、信州大学農学部と進学しましたが、メンタルの病で挫折。
その彼をずっと支えてきた母親ゆりさんは、昨年、よみっこで『みやま郷』代表の障害者教育の第一人者、小林ますみ先生の記事を読み、先生に面会。
それがきっかけで、雄平さんが日本蜜蜂が来ることを発見したそうです。
まさに偶然の産物です。
「今でも治療中ではあるんですが、同じような病に苦しむ若者のロールモデルになればと農業を続けています」と雄平さん
そして美山町で「ここなら日本蜜蜂が来るのでは。ちょうどいい山の斜面、温かすぎるほどの日当たり、車や人間が近くを通らない……。繊細な日本蜜蜂が好む環境だ」と思った宮崎さん。
今年の2月。
彼の見立て通り、巣箱で日本蜜蜂たちがハチミツを集め始めました。
これは奇跡に近いんだとか。
実は今、日本で流通しているハチミツの99%は西洋蜜蜂のハチミツ。
明治時代に外来種として日本に入った西洋蜜蜂はその生命力から、日本蜜蜂を駆逐してしまいました。
日本蜜蜂は西洋蜜蜂の採取するハチミツの量の5%しか採らず、年に2回以上採取する西洋蜜蜂に比べ、日本蜜蜂は1回きり。
当然、ハチミツの生産量は少なく、稀少なものなのです。
日本蜜蜂の巣は大きさも配列も西洋蜜蜂とは異なり、収穫量も少ない
日本蜜蜂のハチミツをいただいてみました。
濃厚でまろやか、それでいて食べやすく甘すぎません。
ハチミツは長寿と美容のもと。
毎日少しづつ食べ続けるのがいいそうです。
『日本蜜蜂ハチミツ』収穫風景。ゆりさんも手伝う。
宮崎さんがハチミツ以外に育てている洋梨コミスも、ほとんど流通していません。
「非常に育てにくく、でも、熟成した時の甘さは梨の概念を超えます」とのこと。
どうも彼は他者がなかなかやっていない生産物が好きなよう。
「そうですね、1人で研究者の様にできるからかな(笑)」
雄平さんの育てる 洋梨コミス(右)と南水梨
皆さんも一度、彼の『幻のハチミツと梨』を食してみて下さい。(高田)
地域情報紙 よみっこ
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