東京工科大学応用生物学部の多田教授らの研究グループが、いちごの新品種候補を開発しました。その名前は、大学の名前にちなんで『東京幸華』。研究室にて、多田教授と経営企画部長の宮本さんにインタビューをしました。
開発のきっかけは?新品種候補とは?
多田「私自身が果物、特にいちごが好きなんです。通常の流通品種より甘く、柔らかいいちごを作りたいと思ったのがきっかけです。まだ、品種登録はされていないので候補です」
試験栽培の様子(町田いちご農園)
東京幸華の特徴は?
多田「糖度が高いこと、柔らかいこと、そして、季節を問わず長期間にわたって収穫できる四季成りです。大半のいちごは、年に一度収穫する一季成りです」
試験栽培の様子(町田いちご農園)
開発の経緯を教えてください。
多田「東京発の美味しいいちごを作ろうということで、2019年から、既存品種の『越後姫』と『よつぼし』(四季成り)との交配と選別を重ねました。2023年9月より『町田いちご農園』での試験栽培をスタートし、昨年10月に商標登録しました」
ヴェールの丘とのコラボについて
宮本「商品化の提案をしたところ快諾をいただき、オリジナルケーキとして商品化が実現しました。ケーキの名前はいちごと同じ「東京幸華」です。滑らかなマダガスカル産のバニラのムースと東京幸華を使ったコンポートをフランス産いちごのムースで包み、生クリームと東京幸華で飾っています。お陰様で大変人気があり、数量限定ということもあるのですが、残念ながら私も教授もまだ食べていません」
ヴェールの丘が商品化したケーキ「東京幸華」(800円、税込) 2月7日(金)までの期間限定販売(みなみ野本店)
地元企業とのコラボの意義は?
多田「技術は社会の役に立つことが重要ですから、本学では産学連携、地域連携を積極的に進めています」
今回のいちご以外にも、クラフトビールなどの開発に取り組むなど、様々な形で地元企業と連携しているそうです。何度か同大学には取材に行き、身近にこの大学に通う学生もいますが、今回も面白い大学だと実感しました。
いちごと言えば、筆者が子ども頃は、砂糖と牛乳をかけて、最後はいちごをつぶして食べていました。あの頃のいちごはすっぱかったからですね。多田教授も同感してくれ、「いちごの品種改良は地域の名産を作りたいということもあり、全国で盛んに行なわれています」と。「八王子発の一年中食べられるとても甘いいちご」……そんな日が来るのが待ち遠しいですね。(中塚)
菓子工房 ヴェールの丘 八王子みなみ野本店
※情報は取材当時のものです。来店の際は公式情報をご確認ください。
- 住所
- 東京都八王子市西片倉2-6-5
- アクセス
- 八王子みなみ野駅 徒歩6分 / バス停「八王子南郵便局」徒歩2分
- 営業時間
- 10:00~19:00
- 電話
- 042-635-3568
- Webサイト
- https://www.vert.cc
- @collinedevert
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八王子を中心とした超地域密着型(ハイパーローカル)の地域情報紙です。新聞配達の流通を使い週6日発行・お届けをしています。※現在は読売新聞の購読者に限定して、朝刊に折り込む形で発行しています(日刊:5,000部)。八王子(主にめじろ台1~4丁目、緑町、山田町、椚田町、狭間町、館町、小比企町、寺田町、大船町、西片倉2~3丁目、みなみ野、七国※一部分に配布されないところもあります)に配達されています。