
高尾山で恒例の火渡り祭が2025年3月9日に行われました。会場は、自動車祈祷殿の普段は駐車場として使われている場所です。
海外の人にも人気
海外からの人からの人気も高く、印象としては見物客の1割程度は海外からの人のようでした。山伏のアナウンスでは英語による説明も行われていました。火渡りは「ファイヤーウォーキングセレモニー」と呼ぶようです。
点火前に1時間ほど斧、刀、弓を用いた儀式が行われ、その後に山伏たちの読経の中、点火。1分程度で大きな炎に成長し、周囲から歓声が上がります。煙や灰が観客席までやってくることがありますが、それさえもご利益がありそうです。15分ほどで火勢が落ち着いてきて、山伏たちが炭をならして火渡りのための道を作ります。

日本刀で魔を断ち切る
所願を抱いて
最初に火を渡るのは高尾山薬王院の最高位である佐藤秀仁貫首(かんす)です。「臨・兵・闘・者~」と九字を切り(※)、塩を撒いてから素足で焼けた炭に足を踏み入れます。ここまでの儀式で山伏たちは世界平和や家内安全など人々の様々な願いを祈祷として捧げています。その願いを一身にまとって炎に挑んでいく姿は勇壮そのものです。
九字護身法(くじごしんぼう):「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前」の九字の呪文と九種類の印によって除災戦勝等を祈る作法。九字を切る、九字切りとも表現される。
大量の塩を撒き炭に足を踏み入れる
「足は熱くない」
火渡り参加者の中には、前八王子市長の石森孝志さんもいらっしゃいました。感想を聞いてみると「足は熱くない。周りで燃えている炎の方が熱いくらい」とのことでした。市長在職中は多忙だったため、こうして火渡りに参加するのは昨年からだそうです。

佐藤貫首がトップバッターなので地面が熱いのではないかと心配
見学ガイド
開始は午後1時ですが、火渡りは2時30分過ぎからなので、少なくとも1時間30分は立ったままで待つ必要があります。健康状態が心配な人は点火の始まる2時を目指すのも1つの手です。
なお、火渡りは当日無料で参加が可能です。当日朝9時から先着1,000人に整理券を配布しており、整理券を持っている人が優先です。また、御檀木(1万円)で見やすい位置の椅子席を用意してもらえて、山伏のすぐ後に火渡りができるので体力面でも安心です。(小川)
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