八王子まつりの裏側に迫る!露店を仕切る男の物語

八王子まつりの裏側に迫る!露店を仕切る男の物語

心がざわつく。幼い頃のお祭りの思い出というと「露店」「屋台」「夜店」のことしか頭に残ってない……そんな人、多いと思います。焼きそば、たこ焼き、りんご飴、綿あめ、ヨーヨー釣り、射的、金魚すくい……その時だけは、親が妙にお金を使ってくれて、お腹いっぱい食べたり買ったり。赤や黄色やピンクの派手な色合いの屋台を1軒1軒、見て回るだけでも楽しい。あのちょっと下世話な「心のざわつき」は露店ならではのものでしょう。

八王子露商組合

八王子市でこの露店を統括している「八王子露商組合」の組合長、安西一さん(65)は、八幡町出身。10代のころから先代の父を手伝い、ほぼ半世紀、露店の世界で生きてきました。八王子には約50人の組合員がいて、そのリーダーを務めています。

1日は「お祭り広場」に。普段は関東全域を廻っている安西さんにとって、八王子まつりは一年で一番の大仕事。準備段階から市役所や様々な組織の人と話し合います。

六中の先生だった川口先生(左)と安西さん。「酉の市」出店前で。ずっと安西さんを撮影してくれている恩師だそう。

八王子だけではなく、全国の業者が、安西さんに出店希望を出してくるのでそれを取りまとめ、「しょば割り」と呼ばれる場所決めを行います。当日、安西さんは店舗には立たず、横山町から追分の約220の店舗を見回ります。そして夜8時30分ジャストに全員が閉店し、9時までに片付けをきちんとできているか、ごみなどを残していないか、などをチェックします。

「1992年の暴対法施行後、露天商と暴力団の関係は厳しくチェックされ、今は健全な世界。だからこそ、規則を厳格にきちんと守っていきたい」と安西さんは語ります。

八王子まつり、いつもは3日間連続の露店出店だったのですが、今年は様々な要因で、甲州街道に並ぶ露店は2日(土)、3日(日)がメインになってしまいました。

楽しみにしている子どもたちのためにと安西さんの仕切りで、1日(金)は宮地楽器(八日町2-17)隣の駐車場、イオンフードスタイル八王子店(横山町4-8)隣の駐車場で露店を出店。夢美術館の向いです。「子どもたちのために露店文化は継承していく」と安西さん。後継ぎは30代の甥っ子さんがいます。


地域情報紙「よみっこ」

屋台を見て歩くだけでワクワクする、あの独特な空気感。子どもたちにとっても、大人にとっても、露店は“お祭りの主役”のひとつですね。

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地域情報紙「よみっこ」

地域情報紙「よみっこ」

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八王子を中心とした超地域密着型(ハイパーローカル)の地域情報紙です。新聞配達の流通を使い週6日発行・お届けをしています。※現在は読売新聞の購読者に限定して、朝刊に折り込む形で発行しています(日刊:5,000部)。八王子(主にめじろ台1~4丁目、緑町、山田町、椚田町、狭間町、館町、小比企町、寺田町、大船町、西片倉2~3丁目、みなみ野、七国※一部分に配布されないところもあります)に配達されています。