裏高尾町に山好きが集まるジビエ料理のお店があるのをご存じでしょうか?登山の前後に多くの登山客が立ち寄る人気店『山籟(さんらい)』。2019年のオープンから6年、今も愛され続けるその魅力をご紹介します。
旧甲州街道沿いの一軒家カフェ
高尾駅北口から小仏行きのバスに乗り、蛇滝口バス停で下車して徒歩1分。川のせせらぎと鳥の声に包まれた自然豊かな町・裏高尾に、オレンジ色の外観が印象的な一軒家カフェ『山籟』が佇んでいます。
駐車場は2台有り
駐車場は店の前に1台、裏手に1台の計2台分。利用の際は、事前に空車状況を確認しておくと安心です。
木の温もりを感じる店内
店に着くと、青々と茂った植物たちが出迎えてくれます。
階段を上るとテラス席が2卓あり、晴れの日はここでの食事も可能です。
店内はテーブル3卓とカウンター2席。基本的に店主がひとりで営業されているため、平日は営業時間も変更になる可能性も。来店時は予約を取ってから行くことをおすすめします。
『山籟』とは、「山風が樹木に吹きあたる音」という意味。店主の齋藤さんが新潟のご実家でお爺様の遺品の中にあった書物を開いたとき、「山籟」の二文字が目に飛び込んできたのをきっかけに店名にされたそう。高尾の山の麓で、人と人が行きかい賑わう。お爺様が教えてくれたその景色を、齋藤さんは今も大切にされています。
前菜からデザートまですべて手作りのメニュー
ランチは「アラカルト」と「セット」が用意されており、その日のメニューが黒板に書かれているのでそこからお好みのものを選ぶことができます。「セット」は『パスタセット』と『ジビエセット』の2種類。今回は『ジビエセット』をお願いしました!
『ジビエセット』2,000円
『山籟』では「できる限り山の恵みを使いたい」という想いから、ジビエ料理を軸に据えて提供し、鹿による山の食害を「駆除」ではなく「食として活かす」ことで、その解決を目指しています。また地元農家さんと協力して旬の野菜を仕入れ、丁寧かつ繊細な料理に彩りを添えています。
セットの飲み物は『オーガニック豆乳チャイ(ICE)』にしました。鼻から抜ける爽やかなスパイスの香りはとても心地良く、驚くほど飲みやすい一杯。豆乳チャイがジビエに合うという新しい発見がありました。
パスタは『サーモンとルッコラの冷製柿ソース』をチョイス。ルッコラと柿は恩方から取り寄せた八王子産を使用しています。柿の優しい甘みとサーモンの風味がオイルベースのカッペリーニと絶妙に絡み合った秋らしいパスタは、まさに「ここでしか味わえない」逸品です。
そして山籟名物の『ジビエ』は上から時計回りに『猪と国産クルミのパテ』『鹿ももロースト』『鹿タン煮込み』の3種盛り。添えてあるパンは毎朝焼いているふわっふわの自家製フォカッチャです。
『猪と国産クルミのパテ』はほんのり甘い舌ざわりにクルミの食感が加わって、嚙めば嚙むほど味わい深く、『鹿ももロースト』は口の中で溶けてなくなるように感じるほど柔らかく、『鹿タン煮込み』はジビエとは思えないほど臭みがなくて、バジルソースやバルサミコソースとの相性が抜群!これにワインでも合わせたら最高だろうなぁと思いました!
住みやすい町「八王子」
齋藤さんの前職は、酉の市などで売られている縁起物の熊手を手作りする「熊手職人」でしたが、八王子に引っ越してきてから、若いときに取得した調理師免許を活かしてお店を出しました。移住後、山と町が共存する八王子の「暮らしやすさ」を日々実感しているそうです。
そんな八王子にそろそろ本格的な秋が訪れ、高尾山周辺の散策が気持ちのいい紅葉の季節がやってきます。高尾の天狗に守られた山好きの聖地『山籟』に、ジャーニー読者の皆様も、この秋ぜひ足を運んでみてください!
ジビエというとどうしても独特のクセを想像してしまいがちですが、山籟さんではまったくそれを感じることはなく、お子さまでも食べやすいだろうなと感じました。食材にもこだわっており、そのこだわりが店の魅力に直結していました。普段山に登らない方も、歩くのが気持ちのいい季節になってきましたので、ぜひ散歩がてら、裏高尾の散策に行ってみてはいかがでしょうか?
山籟 (さんらい)
※情報は取材当時のものです。来店の際は公式情報をご確認ください。
- 住所
- 東京都八王子市裏高尾町789-5
- アクセス
- 高尾山口駅より車で約6分高尾駅北口小仏行きバス乗車~蛇滝口下車徒歩1分
- 営業時間
- 10:00~15:00(要TEL)
- 定休日
- 火・水
- 電話
- 042-673-7421
- @sanrai.uratakao
- 備考
- 夜(17:00~21:00)は完全予約制の一日一組(2名~)限定営業。コース料理のみ。前日までに要予約。
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