2025年9月8日に中野区で開催された「中野区交通安全のつどい」に、八王子を拠点に活動する『演劇ネットワーク ぱちぱち』が出演しました。オリジナル演目『水戸黄門中野漫遊記』を上演し、クイズ形式やコミカルなやり取りを交えながら、交通安全を楽しく学べる演劇となりました。その舞台の模様をご紹介します!
中野区交通安全のつどい
2025年9月8日、中野区『なかのZERO小ホール』で開催された当イベント。
東京都中野区中野2-9
秋の全国交通安全運動(9月21日~30日)に先立ち、交通事故防止への意識を高めることを目的に行われました。
イベントは2時間ほど。式典・音楽ライブ・演劇の3部構成で行われました。
第1部・式典の様子。
第2部にはみんなで歌える、楽しいライブも大盛り上がり。
音楽グループ『とってんたん』とピーポ君。祖父母と一緒に。
中野区交通安全のつどい
- 開催日時
 - 2025年9月8日(月) 14:00~16:00
 - 会場
 - なかのZERO小ホール
 - 主催
 - 野方警察署・中野警察署・野方交通安全協会・中野交通安全協会・中野区
 - プログラム
 - 第1部:式典
第2部:『とってんたん』によるコンサート
第3部:『演劇ネットワーク ぱちぱち』による交通安全演劇 
水戸黄門が登場!演劇のご紹介
第3部に登場した、『演劇ネットワーク ぱちぱち』。交通安全を題材にしたオリジナル演目、その名も『水戸黄門中野漫遊記』。
物語は、女子高生ユミが友人アヤと喧嘩をしてしまい、気持ちが沈んでいるところから始まります。家でテレビを見ようとしたその時、なんと黄門さまが現実世界に登場。
ところが黄門さまは過去からタイムスリップしてきたため、現代の交通ルールをまったく知らず、いきなり信号無視をして注意されるなど、ドタバタの展開に観客から笑いが起こりました。
現役警察官から注意を受ける黄門さま
ここから舞台は交通安全クイズコーナー『クイズ・ノガタリア』へ。某クイズ番組さながらの演出で、黄門さまが4択問題に挑戦します。
時には「テレフォン」を使って仲間に助けを求める場面もあり、ユーモラスなキャラクターたちが次々登場。ゲストにピーポくんが現れる場面も。
会場の笑いを誘いながら、警察署員による丁寧な解説で正しい交通ルールを学べる構成となっていました。
クイズが進む中で浮かび上がるのは、ユミの心の中の葛藤。友人との関係に悩む彼女に、黄門さまは「むやみに人を傷つけてはいけない」と語りかけます。その言葉をきっかけにユミ自身も相手を思いやる気持ちに気づき、仲直りするために一歩を踏み出す勇気を得ていきます。
クライマックスでは、出演者みんなでダンス!舞台いっぱいを使った華やかなフィナーレに、客席からは大きな拍手が送られました。交通ルールを楽しく学びながら、人と人との思いやりの大切さを伝える舞台は、幅広い世代に強いインパクトを残しました。
演劇を終えてのインタビュー
終演後、楽屋に潜入!主演の3名に今回の感想をお伺いしました!
左から 若尾颯太さん/平川和宏さん/大久保祐南さん
――今回ぱちぱちとしては、このようなイベントは初の試みだったと思いますがいかがでしたか?
大久保さん:皆さん温かく迎えてくださって、普通の演劇として楽しんでくれた印象です。客席から登場したのですが、どのお客さんも目を合わせて微笑んでくれて、にこやかな雰囲気の中で前のめりに聞いていただけました。
若尾さん:一番反応が気になる、“序盤のつかみ”もうまくいったと思います!
――今回の狙い、ポイントはどんなところでしたか?
若尾さん:黄門さまのキャラクターは誰もが知っているので、登場すれば湧くはずだと考えていました。特にご年配の方が多かったので、一体感を持てるように意識しました。実際に思わずお客さんに手を振ってしまったくらい、温かい空気を感じました。
――平川さんの黄門さま役、とてもハマっていましたが今までのご経験は?(笑)
平川さん:実は黄門役は初めてなんです(笑)。安心したのは、登場の瞬間に大きな拍手をいただけたことですね。やっぱり馴染みのあるキャラクターは強いなあと。
――この面白さは今後「八王子でも見たい!」という声が出そうですよね。
若尾さん:もちろん八王子でもやりたいです。最初から他の地域でもできるようにと意識していて、セットや効果はあえてシンプルにしました。どこでもできるのが強みで、客層に合わせてキャラクターを変えることも考えています。今回は年配の方に届くように工夫しました。
大久保さん:警察の方とも稽古段階から合わせて、ダンスを交えて上手く連携できたのも良かったです。
――そもそも、この企画はどう生まれたのですか?
若尾さん:実は警察の方との個人的なつながりがあって、企画のことをご相談いただき今回の形につながりました。黄門さまという存在はやはり説得力があり、貫禄があります。とても良いキャスティングだったと思います。
――今後の展開や野望は?
若尾さん:できれば八王子の警察署と組んで同じような取り組みをしたいですし、行政とつながる企画を広げたいと思っています。交通安全に限らず、テーマを変えれば他のイベントや地域でも応用できます。今回の公演はその「たたき台」になりました。今後も展開を続けて、まちおこしにも挑戦していきたいです。
出演した警察官の方からのコメントも頂きました!
――出演にあたって意識したことはありますか?
警察官:現職の警察官としての立ち振る舞いをお願いしますと言われたので、現職のおまわりさんを演じさせていただきました。
――実際演じてみていかがでしたか?
警察官:本番までに2回稽古をさせていただきましたが、役者の皆さんの演技を間近で拝見し、本当に感動しました。自分にその表現ができるか不安もありましたが、精一杯取り組みました。特に難しかったのは、感情を演技で表現する部分ですね。
――最後に、今後の予定や皆さんへのメッセージをお願いします!
警察官:12月1日〜7日のTOKYO交通安全キャンペーン(東京都独自の交通安全週間)では、交通安全をテーマにしたイベントを予定しています。この機会に、改めて交通安全について一緒に考えていただけたら嬉しいです。
『演劇ネットワーク ぱちぱち』とは?
演劇ネットワーク ぱちぱちは、18~25歳の若者を中心とした八王子を拠点に活動する演劇プラットフォームです。地元を題材にした公演のほか、ご当地ヒーロー企画などユニークな試みにも挑戦。さらに、演劇ワークショップを通じて次世代の育成や地域の人々との交流にも力を注いでいます。身近に演劇を楽しんでもらうと同時に、幅広いテーマを分かりやすく伝える舞台を数多く手がけており、その活動は地域を越えて注目を集めています。

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公演のお知らせ!
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- 開催日
 - 2025年11月23日(日)・24日(月・祝)
 - 会場
 - 八王子市立第一中学校(八王子市石川町2957-1)
 - 詳細
 - 八王子芸術祭 公式サイトをご確認ください
 

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