祭りを支える「町内頭」とは?八王子まつりの裏方に迫る

八王子まつりが近づくと、八王子中心市街地には「頭(かしら)」の単語が聞かれるようになります。江戸時代の宿場町「八王子横山十五宿」を前身とする八王子の中心市街には、明治時代には19名の鳶頭がいて、横山町や八日町などそれぞれの「まち」に雇われて祭礼の采配をふるいました。現在は八王子消防記念会に属する鳶職が「町内頭」として町内のいろいろな行事に携わり、祭りでも活躍しています。山車があるところはその手入れ、準備から巡航まですべて見守り、神輿があるまちは神輿を、両方ないところでも、町のあれこれを担当し、事故がないように取り仕切ります。
元横山町の頭とは?
今回は、その中でも広い地域、元横山町全般を取り仕切る平野嘉輝(56)さんにお話を伺いました。

元横山町の山車と平野さん一家。右から2番目が平野嘉輝さん。
元横山町地区には、6つの町会があり山車は一つ。平野さんは普段は建築業をしていますが、父親の逝去で町内頭も継ぐことになりました。「頭って、あたまってついているので偉いみたいだけど、町に雇われているんだから。町はスポンサーなんですよ」とのこと。識者によると、その昔は八王子にもお金持ちの旦那衆が多く、自分のまちの「町内頭」の半纏を作ってあげたり日々のお小遣いをあげたりしたそう。頭は頭で、半纏にその旦那の会社の名前を入れ、お洒落をしてさっそうと歩くのが粋だったともいいます。

八王子消防記念会は様々なイベントに呼ばれ木遣を披露しています
時は過ぎ、「うちのまちに頭はいらねえ」と町内頭を作らない町もあります。また同時に、町内頭は全員、前述したように八王子消防記念会に属し、木遣りを練習しています。「木遣は今や、貴重な伝承文化。もし、やりたい人がいたらご一緒に」とのこと(平野さん)。
八王子まつりで元横山町の山車についている平野さんを見かけたらぜひ、声をかけてあげてください。
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八王子を中心とした超地域密着型(ハイパーローカル)の地域情報紙です。新聞配達の流通を使い週6日発行・お届けをしています。※現在は読売新聞の購読者に限定して、朝刊に折り込む形で発行しています(日刊:5,000部)。八王子(主にめじろ台1~4丁目、緑町、山田町、椚田町、狭間町、館町、小比企町、寺田町、大船町、西片倉2~3丁目、みなみ野、七国※一部分に配布されないところもあります)に配達されています。