【父の日特集】ワークライフインテグレーション!仕事も子育ても頑張る八王子のおとうさん

BICASAスタッフ

皆さんこんにちは!
オリジナルの家具やこだわりの雑貨を販売するインテリアショップBICASA(ビカーサ)です。

このたび、八王子の町工場の職人さんたちと期間限定のコラボ商品を開発しました!

【HFA×BICASA ものづくりプロジェクト】

町工場の職人は、自らが作ったものがお客さまの手に渡るところを見る機会がありません。
そこで、企画からデザイン、製品化、販売までを自社で行っているBICASAが、町工場にとって初めてのエンドユーザー向けものづくり企画をサポート。

約1年半に渡り「かっこいいプロダクト」の開発に取り組んでまいりました。町工場の底力が結集した自信作です。
それがコチラ👇

ゴルフのグリーンフォークやアウトドアの火おこしなどでストライカーとしても使えるマルチツールです。

プロジェクトリーダー 大野晃一郎さん

そして今回は、プロジェクトの中でご一緒したHFA(八王子未来塾)のものづくりプロジェクトのリーダーであり、黒いボディのステンレス部分の塗装を担当した大野晃一郎さんをご紹介!
この町で仕事に子育てに奮闘する大野さんの熱い想いや苦悩を、自称「BICASA随一の肝っ玉かぁちゃん」𣘺本がリポート!毎日育児に完全燃焼している3児の母ならではの視点から、ドキュメンタリータッチな語り口でお送りします!

HFAとは?

HFAは、はちおうじ未来塾(サイバーシルクロード八王子の後継者育成塾)の卒業生による集まりです。
http://www.hfa-hachioji.com/

それぞれの会社で加工したパーツの組み立て作業をする大野さん(中央)と仲間のみなさん

「子ども時代っていろんな理不尽な経験もすることもあるかと思うけどさ、ひとに対する優しさだけは、忘れないでほしい」
当時中1だった初対面の息子にそう語ってくれたのは、HFAものづくりプロジェクトのリーダーである大野晃一郎さんだった。

ものづくりプロジェクトのデザインでお声がけいただいたのがきっかけで知り合い、
たしかまだ2回目の打合せ後の懇親の場だったと記憶しているが、同席した息子にそんなふうに静かに、しかし一生懸命に話をしてくれた。

反抗期の息子も何か思うところがあったのだろう、時折小さく頷きながら大野さんの話に黙って耳を傾けていた。

自身の体験談を交えながら語る大野さん(左、2019年秋に撮影)

「おじさんはさ、子どものころはもっと気が弱くて、すごく人の感情に敏感だったんだ。自分のそんな性格がずっと嫌だったけど、今はそんな自分のことも認められるようになった。
だってこの経験がなかったら、自分の子供たちにもっとあーしろこーしろって言っているだろうし、奥さんにも優しくすることができないから。」と低く優しい声色で続ける彼のことばには、重みがあった。

「あぁ、ほんとうに、いい人だなぁ」そう思いながら、目の前で語り続ける大野さんへの尊敬と感謝で胸を熱くした夜だった。

「自分のところから不良品は出さない」という塗装屋のプライド

大野さんは「金属焼付塗装」と言う聞きなれない仕事をしている。祖父の代から70年続く大野塗装工業の3代目だ。

音響機器、計測機器、工作機器などの外装、パネル、機器本体などに塗装を施し、150℃20分で焼付乾燥するお仕事。
その技術力の高さは口コミで広まり、他所を何軒もまわっても良品が出来ないような物が持ち込まれることもしばしばだ。

「塗装って、表面上ではどれだけ手間をかけたのかわかりません。しかし、見えない所こそ重要なのです。当たり前のことを当たり前に。
量産品でも、エンドユーザーさんにはお金を出して買っていただいた一つなのですから」
笑いながらそう話す大野さんは、職人としてもかっこいい。

「会社は家族だと考えています。嬉しい事、楽しい事を分かち合い、共に前へ進む。時には不満も出れば文句も出ます。そして、社長である僕はその家族のお父さんなのです。子ども(社員)の生活を肩に乗せて行かなければ誰も笑顔になれません。
みんなが笑っていられる場所。それを作るも壊すも自分の心がけ次第。それが私のモットーです。」

会社を家族同様に大切にし、リーダーシップを発揮する大野さんだが、プライベートでは2児の父。家族の前ではどのような顔を見せるのだろうか。

子育ても全力で!子どもたちの個性と真剣に向き合う

「我が家は私たち夫婦と息子(高校一年)娘(中学二年)の4人家族です。
子どもたちは2人とも思春期まっしぐらで、世の家庭の例に漏れず親子ゲンカや夫婦ゲンカもしょっちゅうです。

お酒は昔から大好きですが、飲みながら子どもたちに説教したりするので、家内からは『普段は調子に乗って笑わせる人、お酒が入ると面倒くさい人』と思われているかもしれません(笑)」

ちなみに今は節酒しており、週2日3日は休肝日を作っているそうだ。

情熱的で、古き良き時代のお父さんのように見えるが、最近は2人のお子さんたちの意志や個性を出来る限り尊重するように努めているという。

何か一つで良いから自分に自信を持てるものを作れ、と子どもたちには話しています。
上を見れば切りがありません。下を見れば自惚れます。
今は逃げてもいいし、嫌なことはしなくていい。
しかし、いつかは前を向いて挑まなければいけない時が来る。
その時に、どうしよう、では本人が一番辛いのです。

だから、これなら誰にも負けないと思えることを自分の心の支えにして欲しいのです。
夢は大きく、沢山の希望を持って大人になって欲しい。
そして、人の痛みがわかる人になって欲しい。それだけです。
それ以外はうるさく言わないようにしています。
子供は親の所有物ではないし、何より一人の人間として接しているつもりです」

このように思えるようになったのは、実は大野さん自身の経験からだという。

父は職人気質で気難しく、典型的な『昭和の頑固おやじ』でした。昔はそれが当たり前でしたが、息がつまるような思いをしていた僕は、父のような子育てはするまいと決めていました。
ところが、ふとしたときに、子どもが少年時代の自分に重なって見えた瞬間がありました。

子どもにも同じ思いをさせているのでは?と気が付いた時に、自由にさせる事を選びました。人と違っても良いんだ、と。父の言うことは正しいことも沢山あります。しかし、僕の意思とは違うことがあります。
今は、それを受け入れられるようになりました。

父は71になりますが、現役の職人として、毎日現場に立っています。
こればかりは似た者親子なのか、僕たち親子はワークホリックだと思います(笑)」

強くて優しい大野さんの原点には、色々な意味で父 勝仁さんの姿があるようだ。

ワークライフインテグレーションをかなえられるまち

そんな大野さんが、今回HFAのメンバーと取り組んだのは、B to C のものづくり。

先代より受け継いだ技術を、下請けではなく、自分たちの作りたいものを作ってユーザーに直接届けたい。
そんな思いを形にするべく、プロジェクトを立ち上げた。
とはいえ、デザインや販売の部分では協力者を探したいということで白羽の矢が立ったのが、BICASAだったというわけだ。

「作りたい物と売れる物には大きな差があること、マーケティングの大切さ、需要(差別化ポイント)がある部分、ペルソナ設計など、我々製造業の視点からは気が付かなかったことをBICASAさんから学ぶことは少なくなかったです」

仕事と家庭と、今回のものづくりプロジェクト。
コロナ禍の影響もあいまって両立は容易ではなかったが「超えるハードルは高い方が達成感がありますね。販売前までこぎつけられた事は本当にうれしかったです」と大野さんは振り返る。

「ムラッ気のあるメンバーとのやり取りのなかで、あぁでもない、こうでもないと一緒になって考えてくださったBICASAさん。正直、私は頭が上がりません。
仲間とは言え遠慮がちに物事をお願いしていた私は、きちんと事案を確定させる事に二の足を踏んでいました。
そうではなく、きちんと指示を示してあげる事で結果を出させる、それが今回の一番の勉強でした。
初めてのことだらけだったので、メンバーはみな戸惑いもあったと思いますが、リーダーの私はといえば『任されたからには果たさなければいけない』という責任感だけでここまで来られた気がします。
どんなに大変でも出口はあるのだから、と自分に言い聞かせていました。」

私にとっても、今回のプロジェクトは大野さんのようなすてきな方や、
他のメンバーとのご縁を通じて、多くの学び、そして今後も大切に育てていきたい、まるでたき火のようなあたたかさがあった。
この八王子というまちの、泥臭くもかっこいい、おとうさんの生き様を垣間見た気がした。


BICASAスタッフ

いかがでしたでしょうか。
多くの人の情熱を込め作られたマルチツール。
ぜひ皆さんも手にしてみてください!

BICASA (ビカーサ) 八王子店

※情報は取材当時のものです。来店の際は公式情報をご確認ください。

住所
東京都八王子市南町3-8 2F
アクセス
八王子駅北口 徒歩7分
営業時間
11:00~19:00
定休日
不定休
電話
042-655-6584
Webサイト
https://www.bicasa.jp/
Instagram
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