自然に帰る・お参りできる”樹木葬” 八王子市川口町の『東京里山墓苑』
最近はお墓に対する考え方や、お墓事情にも大きな変化があるようです。
その選択肢のひとつとして注目を集めているのが「樹木葬」。
その草分け的な墓苑である、川口町の延寿院に行ってきました。お話を聞いたのは、及川住職と、墓苑を運営するNPO法人の中山さん。
ー最近、よく樹木葬という言葉を聞きますが?
及川 : 「そうですね。厳密な話をすると、都道府県の条例と関連したりして複雑なんですが、最近は、山への散骨から小さなお墓という意味まで、幅広く使われているようになっていますね。
小さなお墓への納骨は、本来の樹木葬とは少し違うので、庭園式樹木葬と呼ばれたり。この背景には、家やお墓に対する考え方の変化に伴うお墓事情もあるのでしょうね」
東京里山墓苑にて(背後は桜の木) 左:中山さん、右:及川住職
ーこちらは、樹木葬の草分け的な存在で、里山型樹木葬と呼んでいるそうですが?
及川 : 「里山型は東京都で唯一です。埋葬方法には、合祀墓【基本使用料20万円】と、個人墓【同50万円・2人65万円】があり、個人墓はお納めいただいた遺骨をパウダー状にし、多摩産材で作製したオリジナルの骨壺に入れ、木々を植えたスペースに埋葬します。上の部分だけが見えるよう形を工夫しました。
時間が経過すると土にかえります。分類上は散骨になります」
木製の骨壺を埋葬します
ーなぜNPO法人の運営なのですか?
中山 : 「そもそもこのNPOは、お寺と地域を結ぶという目的で設立され、マルシェや映画上映などの取り組みを行っており、樹木葬はそのひとつです。
それに、お寺がやると先入観が強すぎますから。
この墓苑はお寺の中にありますが、宗派、国籍など一切問わず、どなたでも自由にご利用頂けます。
合祀墓(お参りの場所にもなっています)
ペット共同墓もあります
実際に樹木葬スペースに行ってみました。
墓地の奥に進むと、周りにはアジサイ、ツツジ。個人墓のスペース内にはサクラ、モミジ等が植えられています。
小さな木の突起のひとつを指し、「あの下に主人が眠っています」と中山さん。生前、自由な発想のご主人が、「この景色が気に入った」と、こちらでの埋葬を希望したそうです。
家族も「どこに埋葬されているかさえ分かればいい」と賛成し「主人の希望で戒名もつけていません」とのこと。
取材の中で私が感じ始めていた「自然に帰りたいという希望」と「残された者としてはお参りに行きたい」という、矛盾した想いを解決できる形がこの墓苑では実現されていました。
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東京里山墓苑
※情報は取材当時のものです。来店の際は公式情報をご確認ください。
- 住所
- 東京都八王子市川口町1325-1
- アクセス
- 西八王子駅から車で20分
WRITER 投稿者
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