『タンデム自転車』45道府県で公道走行が可能に!残るは東京と神奈川のみ

『タンデム自転車』45道府県で公道走行が可能に!残るは東京と神奈川のみ
地域情報紙「よみっこ」

10月2日、陵南公園にてノルディックウォーキングのイベントが開催され、200人以上の参加者が集まりました。 その中に黄色の小さな二人乗り自転車(タンデム)が展示されていました

お出かけ・観光・省エネ 視覚障害者の移動にも

展示を担当していたのは、NPO法人八王子視覚障害者福祉協会(八視協)の皆さん。そのボランティアスタッフの一人、森さんにお話を聞いてみました。

写真:左は八王子視覚障害者福祉協会の宮川代表、右が森市議

タンデム自転車とは、2つ以上の座席とペダルを備えた多人数乗り自転車です。前席の人がハンドルを操作し、後席の人はペダルを漕いで動力を補助します。二人の力で快速に走ることができ、会話もはずみます。

環境にやさしい人力駆動の乗り物は、生活利便向上や地球温暖化防止、健康づくりなど、様々な分野で利活用が進む可能性があります。視覚障害当事者にとっては、行動範囲や活動の幅が広がるだけでなく、市民の皆さんが視覚障害のことを知る機会も増えるのではないでしょうか」と。

ここで乗れるの?

タンデム自転車に興味を持ったイベント参加者からは「夫婦で乗ってみたい」「高齢者の運動にも使えそう」「どこで売っているの?」など、いろいろな質問や感想が寄せられてました。
「ここで乗れないの?どうして?」との質問に、「法律上タンデム自転車は軽車両に分類されるため、公道上で多人数乗車ができず、以前は観光用サイクリング道や大きな公園など、乗れる場所が限定されていました。

写真:寄贈されたタンデム自転車

しかし、自転車関係団体や観光業界、視覚障害者団体などの要望により規則を緩和する自治体が徐々に増加し、今では全国45道府県でタンデム自転車の公道走行が可能になりました。東京都内では実験的に4か所が規制緩和されています。

その一つが八王子市の浅川ゆったりロードで、ここ陵南公園の隣りの南浅川橋から水無瀬橋までの約2・5㎞区間です。八視協は昨年4月、タンデム自転車走行体験会を開催し、サイクリングを楽しみました。
その後には継続開催を望む声やタンデム自転車の寄贈など、多くの応援が寄せられました。陵南公園は1964年東京オリンピックの自転車競技会場でした。そのレガシーを継承するように、南浅川がタンデム自転車の発信拠点になることを期待しています」と、森さん。

体験できる機会を

八視協の宮川代表によると、「陵南公園にタンデム自転車の保管場所を設置させて頂き、誰もが自由に楽しめるよう要望中です。今年7月には、タンデム自転車で世界一周をした、ジュリアンロスさん(英国出身)から、その自転車を寄贈して頂き、あとは保管場所だけです」とのこと。

実現が楽しみです。取材後、森さんが市議会議員だと知りその気さくさとのギャップにびっくり。「展示したのは、中古で買った私の私物です。自転車が大好きなんです」だそうです。(中塚)

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