
棚にコッペパンや揚げパンが見当たらない…。 実はそれ、すでに売り切れたわけではありません。八王子市中野上町の「山田製パン」では、コッペパンも揚げパンも、注文を受けてからその場で作るスタイル。 できたて・揚げたてを提供するための、老舗ならではのこだわりです。

創業85年!誰もが懐かしむコッペパンのお店『山田製パン』
公開日: 2023.06.12
創業85年!誰もが懐かしむコッペパンのお店『山田製パン』で、コッペパン3種類とカレーパンを食レポ!…
コッペパンのこだわり
「コッペパンは、注文を聞いてから作ります。一つ作るのに約1~2分です。揚げパンは、特にこの時期は砂糖がとけてしまうので注文が入ってから揚げています。父の時代からこのやり方でやっていますので、来店前に電話で予約される方もいます」と二代目の今村さん。
この方法はたくさんのメニューに対応でき、売り切れることが少ないのです。取材中に三代目の田中さんが、在庫の少なくなったクリームとあんこを作っていたのはそのためだったのでしょう。殆どの材料を手作りしているこの店としては常に補充しなければならないので大変ですが、お客さんにとっては嬉しい方式です。

現在の一番人気は揚げパン195円
※但し、定休日前の土曜日は売り切れることもあるので注意。
豊富なメニュー
壁には18種類のコッペパンのメニューが書かれています。調理パンに挟むカツ、焼きそば(各190円)、人気のポテトサラダも手作り。

壁に貼られたコッペパンのメニューは18種類
今村さんが持っているのは、ご本人が「私はこのお店で昔からこれが一番好きです」という食パン。よく見ると、通常の2斤よりも大きいようです。 創業から使っている年代物の食パン型を使っているからだそうです。一斤320円、一本(2斤半)789円。

左から二代目の今村由美子さん、三代目の田中真野さん
創業は昭和12年
初代・山田則仁(のりひと)さんがこの地に開店したのが昭和12年。創業から88年です。八王子駅前の布屋さんに次ぐ老舗のパン屋さんだそうです。このお店の歴史はそのまま日本のパンの歴史でもあります。終戦後、アメリカから輸入した小麦によって学校給食にパンが登場し、その時に提供されていたのがコッペパン。これは日本独特のもの。揚げパンも給食メニューが発祥。
「給食係の人が休んだ児童のために揚げたパンを届けた」また、「児童にカロリーの高いものを」と考案・普及したそうです。「揚げパンと言えば懐かしい給食メニュー」というのは関東の話。関西出身の筆者にとっては今回が初「揚げパン」。揚げたてのふわっふわっ食感。上にはたっぷりのグラニュー糖。まさに昭和の味(195円)。
現在のようにコッペパンに特化したのは二代目から。一方、「美味しいパンを作るためには良い材料を使え」との初代の言葉を守り続けているそうです。


揚げたて・作りたてのこだわりと、代々受け継がれる味。地元に愛され続ける老舗のコッペパン、ぜひ一度味わってみてください。
山田製パン
※情報は取材当時のものです。来店の際は公式情報をご確認ください。
- 住所
- 東京都八王子市中野上町1-32-22
- アクセス
- 八王子駅 車10分
- 営業時間
- 8:30~18:00
- 定休日
- 日・月・祝日
- 電話
- 042-622-2561
- 駐車場
- 2台有 (横にコインパーキングも有)
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