八王子市にはご多分にもれず、「蕎麦好き」がたくさんいます。
今回はそんなマニア間でも「1回行ってみたい」と語り継がれる、八王子市から川一つ渡ったあきる野市(旧五日市町)の店をご紹介します。
ロケーションが素晴らしい
「サマーランドから川を渡ったところに、いい蕎麦店がある。いわゆる〝田舎蕎麦〟と言われる蕎麦なんだけど、味わい深くてね。でもお昼ですぐ終わっちゃうんだ」
とある食通の言。それがこの「加賀屋」さん。
ずっとずっと予定が合わず、やっとのことでさる極寒の日、うかがえました。
お店に入ると眼下には秋川が。向こうに見えるのは東京サマーランド。
「ああ、八王子と五日市町(現あきる野市)ってこういう位置関係なんだ」と初めて知る筆者。庭には桜やアジサイなどが季節によって咲き乱れるそうです。
日差しが差し込む窓側。向こう岸にサマーランドが見えます
「八王子の上川町からお嫁に来たときは、遠くに感じたわ」と経営する前田美代子さん。約45年前、お嫁に来てからすぐこのお店を手伝い始めました。
大病をした美代子さん、現在では、そばの仕込み中心でお店の切り盛りは、娘さんの宏美さんに任せているそうです。
経営者のお母さんと娘さん。明るい2人
仕込みが大変
さて、その素晴らしいお席で、お蕎麦をいただきました。
黒くて太めの蕎麦。この噛み応え、のど越し、風味がたまりません。なんと山芋、地粉、卵をまぜ、打っているそうです。
とろろそば(1,132円)この蕎麦は、とろろがよく絡みます
「五日市のこの辺りの蕎麦は、こんな感じなんです」(美代子さん)とのこと。
感覚としては、うどんとのハーフといった味わい。
この蕎麦に、なんと、サービスで野菜の天ぷら、小鉢などがついてきます。もう、食べ応え十分です。
お蕎麦をご注文くださった方に、サービスの天ぷらや煮物が(日替わり)
45年も続いた人気の手打ち蕎麦屋さん、都内からも車で通ってくるファンが多い名店になりました。
二代目の娘さんに「これは頑張って、継いでいかなくちゃね」と話すと、
「え~。母がいなくなったら無理です。だって、10人前打つのに、なんやかんや30分前後、かかるんですよ」
え?30分?
ここの蕎麦は、うどんと同じく、ビニールなどに素材を入れ、足で踏む製法なのです。
この作り方、どこかで見たなと思ったら、そうそう、高松の讃岐うどんやさんが皆、「足で踏んで」いるのを思い出しました。
とても体力と時間がかかる製法で、お客様が集中した時は、「約30分、お待たせすることもあります」。これから春、加賀屋が一番いい季節です。
八王子市から車で行くとすぐなのですが、電車で散策を兼ねて訪れてみるのもいいでしょう。せっかく行って、お蕎麦売り切れも悲しいので、早めの時間の来店をお勧めします。【取材:高田】
地域情報紙 よみっこ
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手打ちそば 加賀屋
※情報は取材当時のものです。来店の際は公式情報をご確認ください。
- 住所
- 東京都あきる野市山田962-1
- アクセス
- 武蔵増戸駅 徒歩10分
- 営業時間
- 11:00~15:00 (売切れ次第終了)
- 定休日
- 月曜日 (祝日の場合は翌日)
- 電話
- 042-596-1648
- Webサイト
- http://www.soba-kagaya.com/
WRITER 投稿者
八王子を中心とした超地域密着型(ハイパーローカル)の地域情報紙です。新聞配達の流通を使い週6日発行・お届けをしています。※現在は読売新聞の購読者に限定して、朝刊に折り込む形で発行しています(日刊:5,000部)。八王子(主にめじろ台1~4丁目、緑町、山田町、椚田町、狭間町、館町、小比企町、寺田町、大船町、西片倉2~3丁目、みなみ野、七国※一部分に配布されないところもあります)に配達されています。