【よみっこ】「あったらいいな」を形に!teamパラスポーツラボ
「障害があるから」から「障害があるけど」へ!
医療・介護の現場で「あったらいいな」と思える製品を形にしていく会社、ハーベストクラフトさんと共にパラサーフィンへ挑戦!
医師・介護者・メーカーがコラボ
2028年ロサンゼルスパラリンピックでの追加検討種目になったことで注目を浴びているパラサーフィン。その国際大会『第2回静波パラサーフィンフェスタ』(主催:一般社団法人UNIVA)が、4月22〜24日に開催されました。
写真は会場で撮影されたものですが、車椅子に乗る生方選手が両足に装着したサポーターに注目してください。
右から時計回りに生方選手、土井さん、稲川さん
生方さんは、事故により下半身が全く動かせません。サーフボードに腹ばいになって波に乗るのですが、どうしても脚が開いてしまいバランスを崩してしまうことが多いのだそうです。そこで、このサポーターを装着することで、良いパフォーマンスが可能になったとの事。結果、この大会でも3位に。
元は介護補助用品
実はこのサポーター、サーフィンのために作られた製品ではありません。元来は、介護補助用品で、製品名は『よいしょ』。
この製品の発案者は、在宅医療医として長く勤めている土井淳さん。「私自身が手術後のベッドで経験したことなのですが、寝たまま排便するというのは大変。
そう、うまく力めないんです。寝たきりの高齢者にとっては、便秘、下剤を服用、下痢、おむつ……結果として外出の機会が減る。それを防ぐため、介護者は排便しやすい姿勢を作る介助をするのですが、その大変さを見ていて「こんな用具があればいいのに……」とひらめいたのがこの製品です。
介護補助用品『よいしょ』
開発・製品化には、医療機器メーカー、リブト(明神町、後藤社長)、理学療法士の稲川さん(七国)、田倉繃帯工業(千人町、田倉社長)にアドバイスを頂きました」との事。
サーフィンに転用
共に開発に関わった理学療法士の稲川さんの趣味はサーフィン。生方選手との出会いの中で『よいしょ』を利用することを思いつきます。そして、「生方選手は水泳もやるのですが、上半身だけで泳ぐ姿を見た時は感動しました。泳ぐ際も脚が不安定なので、利用してもらうと『泳ぎやすい』と喜んでくれました」と稲川さん。
パラサーフィンフェスタで演技をする生方選手
あったらいいな
同様の発想で製品化したのが『ここもって』。体が不自由な方の姿勢を変えたり移動したりする際に、介助者が装着したタスキ状のベルトを「ここ持って」とお願いすると、重心が近づき介助が楽になるという製品です。
「『障害があるから無理、ではなくて、障害があるけどできる』そういう発想が大切だと思うんですよね。また、介護する側の人の負担を減らすことは今後ますます重要です」と土井さん。
因みに、パラサーフィンがパラリンピックの正式種目になるかは、12月に決定するそうです。(中塚)
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