【対談】八王子を書き尽くす。地域メディア「よみっこ」×「ジャーニー」が語る“地元愛”の伝え方
八王子で愛され続けて25年。地域密着型の紙媒体「よみっこ」の編集長・中塚さんと、Webメディア「ジャーニー」のスタッフが、記事作りの裏側から、意外な人気コンテンツ、そして八王子への想いまでを熱く語り合いました。
25年間、毎日ネタを探し続ける原動力
――よみっこさんは、よく「ネタ切れしないの?」って聞かれると思うんですが、実際どうだったんですか?
中塚(よみっこ):よく聞かれますが、最初は「1ヶ月やってみて、できたら続けよう…」というスタートでした。1ヶ月目は必死に自作して、2ヶ月目からも「いつネタが尽きるか」と冷や冷やしながらやってきました(笑)。専門家にコラムを書いてもらったりして工夫もしましたが、数年経つと、実は「同じ記事でもいい」ということに気づいたんです。
――同じ記事、ですか?
中塚(よみっこ):季節は巡りますから。桜は咲くし、夏はお祭りがある。読売新聞を読んでいて「あ、紫陽花が咲いた。これ記事になるな」と思うこともあります。毎年同じテーマでも、少しずつ切り口を変えたり、新しい発見を加えたりして届けています。最近はプレスリリースも増えましたが、やはり自分たちの足で見つけた「地元の目線」を大切にしています。

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異色の経歴:元・体育教師が「手書き」で始めたメディア
――中塚さんはもともと大阪出身で、前職は教員だったんですよね。
中塚(よみっこ):はい、中学校の体育教師でした。文章を書くのは大嫌いで、読書感想文も最低(笑)。本も読まない、スポーツ大好き少年でした。そんな自分がなぜ記者になったのか不思議ですが、教員時代に書いていた「学級通信」が原点かもしれません。生徒に自分の想いを伝えたり、フィードバックしたりする。その延長線上に今の「よみっこ」があるんです。
体育教師時代のエピソードが語られた記事も!

本人は気付いていない八王子の方言
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――「よみっこ」の始まりはどのような形だったんですか?
中塚(よみっこ):25年前、最初は自分の担当エリア300軒だけに配る、手書きのチラシのようなものでした。名前も「いまどき手書きの新聞屋さんの作った新聞」という長い名前で(笑)。そこから少しずつ広がり、今の形になって10年ほど。気づけば3,000号を超えていました。
読者が求めるのコンテンツって?
――「よみっこ」で特に反響があるものって何ですか?
中塚(よみっこ):うちで一番人気のコンテンツは、 「グルメ」と「クイズ」です。日刊発行なので、「クイズは毎日楽しみです亅という読者はかなり多いですね。簡単すぎず、難しすぎず、その匙加減が微妙なんですけど…
――「よみっこ」らしさが出るテーマってあります?
中塚(よみっこ):八王子の歴史や、地元の人しか知らないスポットですね。例えば、八王子が舞台の童謡『夕焼小焼』の由来や、住宅街のど真ん中に残っている旧「御陵線」の巨大な橋脚の遺構。こういう「え、何これ?」という小ネタは、地元への愛着に繋がります。転勤や引越しで八王子に来た人にも、歴史を知ることでこの街を好きになってほしい。それが「よみっこ」の大きな目的です。

童謡「夕焼け小焼け」の「山のお寺」ってどこ?その3『興慶寺(こうけいじ)』上恩方
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ナニコレ珍百景in八王子|長房町 庭に巨大なコンクリートの塊!
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紙とWeb、それぞれの「取材の壁」
――私たちのようなWebメディアだと、老舗のお店に「ネットはちょっと…」と断られることもあるのですが、中塚さんはどうですか?
中塚(よみっこ):もちろんありますよ。おじいちゃんが頑固だったり、「これ以上忙しくなると常連さんに迷惑がかかる」という繁盛店だったり。5軒に1軒は断られる感覚です。でも、私たちは地域の「顔見知り」として動いているので、パウチした記事を店に持っていったりして、少しずつ信頼を築いています。
――地元に根ざしているからこそ書ける記事、ということですね。

よみっこ教育委員会から表彰状!!地元小中学校の情報を地域に橋渡し
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ーよみっこを推薦して頂いた理由は? 緒方校長「各学校とも、いろいろな取り組みをしていますが、そのことを地域に発信する方法って他にないんですよね。保護者向けには、学校便りやホームページで発信できますが、地域の方に橋渡しをしてくれている、よみっ…
――取材範囲の考え方も変わってきました?
中塚(よみっこ):そうですね。以前は青梅など遠くまで取材に行っていましたが、今は「八王子市内、それも足元をしっかり見る」と決めています。範囲を広げすぎると、身近な面白いことが見えなくなってしまいますから。
これからの展望:メディアの枠を超えたコラボレーション
――今回お話しして、ターゲット層や媒体は違っても「良い店、良い街を知ってほしい」という根底の想いは同じだと感じました!なにか一緒にやれそうなことありますかね・・・?(笑)
中塚(よみっこ):本当にそうですね。全てが逆だからこそ、補完し合える。今後は「ジャーニー」と「よみっこ」で同じ店を同時に取材して、書き方の違いを楽しむようなコラボ企画も面白いかもしれませんね。
――ぜひやりましょう!八王子の街をもっと盛り上げるために、これからもお互いに情報発信を続けていきたいですね!本日はありがとうございました!
体育教師から、地域メディアの編集長へ。「文章は嫌い」と笑う中塚さんですが、その言葉の端々からは八王子という街への深い敬意と愛が溢れていました。手書きの300部から始まった物語は、これからも八王子の日常を記録し続けます。
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